知らぬ間にカード被害 19年の不正利用273億円 ネット取引活発ご注意

西日本新聞 社会面 古川 大二 山口 新太郎

 知らない間にクレジットカードを利用され、インターネットを通じて勝手に商品を購入されるトラブルが増えている。日本クレジット協会によると、2019年のカード不正利用による被害額は273億8千万円で、10年の約3倍に膨らんだ。消費者だけでなく、商品を販売する店舗が損害を受ける事例も出ている。新型コロナウイルス感染拡大でネット上での商取引が活発化しており、双方の対策が急務となっている。

 昨年11月上旬、愛知県のアルバイトの女性(26)はカード会社のウェブで、自分の利用明細を確認し驚いた。4日前に東京都の家電量販店で、約130万円分の買い物をしたとの記載があったからだ。身に覚えは全くなかった。

 問い合わせると女性をかたる人物から電話があり、利用限度額が勝手に引き上げられていたことが判明した。カード会社からは「本人確認が取れている」として支払いを求められた。

 女性は同12月中旬、警察に被害届を提出。結果的にカード会社から支払いは免除されたが、明細を確認しなければ口座から代金を引き落とされていた。女性は「なぜ自分のカードが利用されたのか。全く心当たりがなく、怖い」と不安を明かした。

 日本クレジット協会などによると、カードの不正利用は、実在の企業を装ったメールを送り付け偽サイトに誘導してカード情報を盗み取る「フィッシング」や、企業への不正アクセスなどが主な原因だ。

 20年のフィッシングの報告件数(11月末時点)は約20万件で、前年同期の約4倍に急増。民間監視団体フィッシング対策協議会は「通販業者をかたるものが大半を占める。コロナ禍で通販サイトの利用が増えているためではないか」とみる。

 福岡県警の捜査幹部は「フィッシングや不正アクセスは、経路が複雑だったり海外発だったりして発信元をたどれず、捜査が難航するケースが多い」と明かす。対策として県警は、メールに記載されたアドレスを安易にクリックしないことや、カードの利用明細をこまめに確認することなどを挙げている。 (古川大二、山口新太郎)

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