災害を考える年 「いつ起きても」の備えを

西日本新聞 オピニオン面

 数年に一度という大雪が九州北部を含む日本海側を中心に続いている。猛吹雪となり、東北地方では落雪による死者も相次いでいる。

 これも地球温暖化による「暖かい海」の影響とみられる。海面水温の上昇で発生する水蒸気は夏場は大雨に変わり、今は寒気のため雪になるという。

 九州はこれまで雪による被害は多くなかった。今後は想定すべき天災の一つに加わったと受け止めるべきかもしれない。

 平成に入って以降「災害の活性期」と重なっているとも指摘される。台風、豪雨、地震、火山噴火などあらゆる災害が「いつ起きてもおかしくない」という心構えを確認したい。

 一昨年は新年早々の1月3日に九州一円を揺らす地震が起こり、熊本県和水町で震度6弱を記録した。2016年4月の熊本地震から3年近くがたち、落ち着きを取り戻した時だった。まさに「天災は忘れた頃にやってくる」の警句を想起させた。

 今年は、その熊本地震発生から5年となる。震度7を2回観測し、揺れの強さを示す加速度では阪神大震災(1995年1月)を上回った。その強震で崩落した阿蘇大橋に代わる新橋が今春ようやく開通の見通しだ。災害復興の困難さを改めて私たちに突き付けている。

 福岡市・天神のビルの窓ガラスを粉々にした福岡沖地震(2005年3月)の教訓も同時に思い起こしたい。

 何より今年は、未曽有の大地震、大津波、原発事故が起こった東日本大震災(11年3月)から10年の節目がやって来る。

 被災地の三陸海岸沿いで巨大な防潮堤建設が続く。東京電力福島第1原発の廃炉はめどが立たず、周辺自治体の一部は帰還困難区域に指定されたままで、廃虚と化したかのような街並みもある。国策として原発を推進しながら事故を防げなかった国と東電の責任は重い。復興に全力を尽くさねばならない。

 一方、長崎県の雲仙・普賢岳の大火砕流も6月で発生30年となる。火山噴火の予知技術は依然確立されていない。阿蘇山や桜島などと併せ、火山活動への警戒を怠らないようにしたい。

 風水害では、熊本県南部を襲った豪雨から1年、西日本豪雨から3年、九州豪雨から4年となる。いずれも梅雨末期の7月だった。熊本南部豪雨の被災地では今なお4千人以上が仮設住宅暮らしを強いられている。

 私たちが心掛けたいのは日ごろから避難の場所と経路を確認し、最低限必要な水や食料を備えておくことだ。コロナ禍の今はマスクや消毒液なども欠かせない。貴重な多くの教訓を忘れずに過ごす一年としたい。

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