成人式も「密」避け様変わり 「一生に一度なのに」新成人から落胆も

西日本新聞 一面 岩谷 瞬 吉村 次郎 金子 晋輔 宮上 良二

 新型コロナウイルスの感染拡大で成人式の中止や延期が相次ぐ中、九州の一部の自治体が10日に式典を行った。2部制で時間をずらして分散したり、式を動画で配信したりするなど3密を避ける工夫を凝らして門出を祝福。将来への決意を新たにした新成人がいた一方で、旧友との再会がかなわなかった人もおり、「一生に一度の思い出なのに」と落胆の声が聞かれた。

 派手さで知られる北九州市の成人式は午前と午後に分けて実施し、合間に座席や手すりを消毒。奇抜な衣装を着てのぼり旗を掲げた新成人もいたが、しっかりマスクをしていた。座席は例年の約2700席から1250席に削減。それでも会場周辺は記念撮影に興じる新成人でごった返した。

 友人と参加した同市小倉南区の女性会社員(20)は「こんなに人が集まって大丈夫かな」と心配していた。

 大分市は「デジタル成人式」と題し、動画投稿サイトユーチューブ」や市中心部の商店街のモニターで佐藤樹一郎市長のお祝いメッセージ動画などを配信した。ただ、商店街でモニターを見つめる振り袖姿の新成人らはまばら。JR大分駅付近を歩いていた、同市の女子専門学校生(20)は「コロナで仕方ないとはいえ、人生に一度の式典がないのはショック。県外から帰省しない友達とも会えなかった」と残念がった。

 佐賀市では、例年混雑しやすい同市文化会館の会場を三つに分けて実施。昨年4月に長崎大医学部に入学した河野美奈さん(20)は「授業はほとんどリモートとなり、1人で家にいることが多くてつらかっただけに、同級生と会えてうれしかった」。大学では感染症対策を学んでおり、「将来は感染症専門の医師になりたい」と抱負を語った。

 福岡県大牟田市は保護者に観覧自粛を要請して式典を開催。熊本県荒尾市も新成人に絞って実施した。有明高看護専攻科で学ぶ塩塚友梨さん(20)は「同級生と顔を合わせて話せた」と声を弾ませ、「コロナと闘う医療従事者の姿を見て、ますます看護師を目指して頑張ろうという気持ちになった。今年は若者が感染を広げない行動ができる年にしなければいけない」と誓った。

 福岡市も11日に成人式を2部制で実施し、開催時間も例年よりも短縮する。

(岩谷瞬、吉村次郎、金子晋輔、宮上良二)

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