優勝にも胸中複雑…東福岡バレー3度目V 雪辱誓った相手はコロナ棄権

西日本新聞 社会面 伊藤 瀬里加

 10日にバレーボールの全日本高校選手権(春高バレー)の決勝が東京都内で行われ、男子は東福岡が5大会ぶり3度目の優勝を飾った。新型コロナウイルス感染拡大防止のために無観客で開催され、期間中にコロナ禍で棄権を余儀なくされたチームもあった異例の大会だった。

 「何の曇りもない喜びとは少し違います」。全国総体、国体が中止となり、2020年度唯一の全国大会を制した東福岡の藤元聡一監督は複雑な表情を浮かべた。互いに勝ち進めば準々決勝で対戦する可能性のあった前回優勝の東山(京都)がチーム内に発熱選手が出たため7日の3回戦を棄権したからだ。その後に新型コロナの陽性が判明した。

 東福岡が前回大会で敗れ、雪辱を誓っていたチームだった。藤元監督は無念を思いやると同時に「ポッカリと穴があいたような喪失感があった」と明かす。「これが(コロナ禍での)現実の全国大会」と言い聞かせ、会場へのバス移動は座る間隔を空けさせ、宿舎での換気を徹底。前例のない戦いを勝ち抜いた。

 大会期間中の7日には会場だった東京都などに緊急事態宣言も再発出されるなど、新型コロナを巡る事態も急変した。大会実行委員長を務めた全国高体連バレーボール専門部の原卓弘部長は「続けられるのかという議論もあった」と振り返る。もともと会場入りできる選手をベンチ入りの18人に限定し、大会役員も例年の半分程度に抑えていたが、会場入場時の検温で使う体温計を顔認証型から精度の高い接触型に変え、10日の決勝戦では、医師による問診も行われた。

 藤元監督は「コロナ禍の厳しい状況で、陰で力になってくださった方のおかげ。心より感謝申し上げたい」などと、何度も感謝の言葉を口にした。

(伊藤瀬里加)

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