海底湧水8時間煮詰め 佐賀・唐津市松島の「海士の塩」

西日本新聞 夕刊

 佐賀県唐津市の呼子港から連絡船で15分。玄界灘に浮かぶヒョウタンのような姿の松島。総面積0・63平方キロに50人ほどが住むこの島で今、若者らが熱き取り組みを展開している。

 その一人、海士(あま)の宗秀明さん(26)が作るのが「海士の塩」。島の沿岸部では、水深5メートルの海底からミネラル豊富な地下水が湧き出る。湧水量が増える満月と新月の日にくみ上げた海水を、平釜で8時間かけて炊き上げる。燃料の薪(まき)は島内の山から切り出した間伐材だ。

 なめると、まろやかなしょっぱさ。ほんのりとしたうま味が追いかけてくる。サラサラなので料理にも使いやすそう。秀明さんは「刺し身に付けてもいいし、意外にもコーヒーに少し入れるとおいしいんです」。

 海士の父、勇さん(58)の背中を追い、6年前に帰郷して同じ道を歩んできた秀明さん。兄の勇人さん(31)は、島の人気イタリアンレストラン「リストランテ マツシマ」のオーナーシェフで、福岡市内に姉妹店2店舗を構える。

 「松島の海と山の資源を守るため、新たなアイデアで仲間を増やし島を盛り上げたいんです」。その心意気が凝縮された味わいだ。

 (フリー記者・刀坂利恵)

 ▼海士の塩 1瓶(50グラム)1000円(税込み)。農家や漁師の食材を扱う「ポケットマルシェ海士の塩」でネット検索を。福岡市博多区南本町のビストロマツシマ=092(573)8858=でも扱っている。

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