家裁決定に翻弄される遺族

西日本新聞 ふくおか都市圏版 山口 新太郎

 福岡市の商業施設で昨年8月、女性(21)が刺殺された事件。殺人容疑などで逮捕された少年(15)は家裁に送致され、今後、少年審判で処遇が判断される見通しだ▼送致当日、福岡家裁は事件を鹿児島家裁に移す決定をした。理由を明らかにしていないが、一般的に少年の関係者の居住地を管轄する家裁に移すことがある。家裁の調査を進めやすくするためだ▼女性の遺族側は、家裁に「事件の現実感が薄れる」などと移送しないよう求めていた。弁護士によると、遺族は時の経過に連れて喪失感を募らせ、悲嘆の日々を送る。傍聴や意見を述べることを望めば、鹿児島での審判は心身に負担だ。家裁はせめて決定前に遺族側と協議すべきだった。性急な決定に、被害者側が翻弄(ほんろう)されている。
 (山口新太郎)

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