「病衣貸し出し」に思う 連載「霹靂の日々」(56)大島一樹

 もしかしたら注意深い読者の方は、写真でお気づきかもしれません。入院中のオクサンの病衣が、自前のパジャマから病院貸与のものに変わっています。

 以前はパジャマなどは私が持ち帰って洗濯し、食事の介助の際に汚れたものは、持ち込んでいたふた付きのバケツに入れてありました。それが2013年の中ごろから、病衣は貸与となりました。

 病院側が貸出料を取るわけで、疑い深い私は「そんなところまで利益を考えないといけないのか」と釈然としない思いもしましたが、逆に「手間が減って助かった」と考えるご家族もいらっしゃるでしょう。

 以前、この連載でも病院も収入を意識しているような側面が見えて「冷めた気がした」と書きましたが、最近、読んだ新書(「日本の医療の不都合な真実」)に、コロナ禍で浮き彫りになった医療機関の実情が描かれていました。病院としても利益を上げられなければ患者を助けることは難しい、看護師や医師の個人的な思いだけではどうにもならない-。そんな情報が詰まっていました。

 自分や家族が病院にかかった経験があれば、理不尽な思いをすることもあるでしょう。今はコロナの第3波で医療崩壊も指摘されていますが、こうした本を読まれると、感じ方が変わるかもしれません。高度な医療のおかげで命をつないだオクサンですが、改めて医療従事者の方々に感謝です。 (音楽プロデューサー、佐賀県みやき町)

関連記事

PR

くらし アクセスランキング

PR