福岡の緊急宣言で佐賀に危機感 飲食業界から独自の支援策を求める声

 新型コロナウイルス感染症対策の緊急事態宣言が福岡県を含む11都府県に拡大されたことで、佐賀県内にも危機感が広がっている。大都市圏に県産食材を出荷する生産現場は、外食産業の冷え込みに伴う値崩れを警戒。昨年末からの自粛ムードで苦境が続く飲食業界からは「緊急事態宣言が出ている状況と変わらない」と悲鳴が上がり、県に独自の支援策を求める声も出ている。

 「外食の自粛が長引けば、作っても売れなくなる。影響は避けられない」。JA佐賀中央会の古賀孝博専務理事は13日、今後の見通しを記者団に示した。県内は麦や米、肉、タマネギなどの「基礎食材」を東京や福岡など都市部に出荷。全国を対象にした昨年4月の緊急事態宣言後は外食需要が激減。出荷の最盛期と重なったタマネギの単価が下落するなど打撃を受けた。

 今回の宣言でも不要不急の外出自粛や飲食店などに午後8時までの時短営業が要請され、外食需要の落ち込みは必至だ。今後、県産物の在庫が膨らみ、単価下落の懸念もある。古賀専務理事は「外食産業は佐賀の生命線。消費地が閉まる影響は不安だ」と語った。

 県内でも飲食業界への影響は顕著だ。県は「支え愛」と称して、県民に飲食店利用を呼び掛けてきたが、国の飲食店支援策「Go To イート」のプレミアム付き食事券の販売数は60万冊中約22万4千冊と低迷。県産業政策課は「大都市圏の感染拡大で県民に自粛傾向が広がっている」と分析する。購入を後押ししようと、県は販促本部を昨年12月に立ち上げたが、完売の見通しは立っていない。

 「買う人がいなければ、使う人もいない。今はそんな状況でもない」。居酒屋やスナックなど約1200店が加盟する県飲食業生活衛生同業組合の吉田彰友理事長は嘆息する。

 13日の会合では、組合役員から感染急増で客足は激減し「佐賀市内も緊急事態宣言下と変わらない」との窮状が報告された。吉田理事長は「感染の不安から“正月休み”を続けている店も多い」と打ち明ける。

 山口祥義知事は最近の感染者の多くが「福岡由来」として福岡県との往来自粛を求めたものの、県独自の緊急事態宣言の発出には慎重だ。

 これに対し、吉田理事長は「佐賀県の対応は手ぬるい」と批判。独自の宣言を発令した宮崎県や熊本県は、飲食店に時短営業を要請し、応じた店には協力金を支払う。吉田理事長は「佐賀は福岡県と同じ生活圏なので足並みをそろえてほしい。感染が収束しなければどうせ客は来ない。宣言を出して協力金を支給した方が個人経営が多い県内の飲食店は助かる」と話した。

 (金子晋輔)

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