帰国断念も成人式手作り 25日に200人、台湾の邦人留学生が計画

【あなたの海外特派員】

 一生に一度の成人式。新型コロナウイルス禍で日本に一時帰国できず、出席がかなわない台湾留学中の日本人学生たちが、自らの手で式典を開こうとしている-。西日本新聞の海外特派員が読者からの調査依頼や取材依頼にこたえる「あなたの特派員」にそんな情報が寄せられた。現地企業からも支援を受け、25日に中部・台中市に約200人が集まるという。コロナ禍でも一生の思い出をつくろうと若者たちが奔走している。

 発案したのは2019年に高校卒業後、台中市の弘光科技大へ入学した齋藤さん(20)=福岡県太宰府市出身。幼い頃から憧れてきた成人式に出席するため一時帰国する予定だったが、昨年3月、台湾は新型コロナの水際対策で外国人の入境が原則禁止に。再入境できなくなる恐れもあり、断念した。

 一時は落ち込んだが、「状況の変化にしなやかに対応して自分を変えられるのが大人」と考え直し、現地での式典開催を思い立った。台北や高雄など台湾各地の大学に留学中の日本人学生に声をかけ、昨年12月に実行委員会を結成した。

 オンライン会議でアイデアを出し合い「たい和ん成人式」と命名。コロナ禍を生きる人々を和やかにつなぐ場にとの思いを込めた。着物のレンタルサービスを用意したり、スポンサーを見つけたりと手探りの1カ月。写真共有アプリ「インスタグラム」などで参加者を募ったところ、日本人や台湾人の新成人ら約200人から申し込みがあった。日本人の約半数が九州・沖縄からの留学生という。

 台湾には20歳を祝う式典の慣習はないが「日本のアニメや漫画で成人式を知った」という人も多く、留学生を支援する日本台湾教育センターや台湾企業が資金面などで協力してくれた。

 台湾は新型コロナの封じ込めに成功しており、検温の徹底や罰則付きのマスク着用義務はあるが、集会の制限はない。当日は新成人の誓いや交流会を予定し、人気ユーチューバーも無償でゲスト出演する。「親日的な人が多く、本当に助かった。自身の晴れ舞台というより、どうすればみんなに楽しんでもらえるかで頭がいっぱい」と話す齋藤さん。その表情は、もう十分に大人の顔立ちだった。

 「たい和ん成人式」の問い合わせや参加申し込みは実行委のウェブサイト=http://seijinn.jimdosite.com/から。(北京・坂本信博)

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