新制度にコロナ禍。逆風に負けるな受験生

 中国で1300年にわたって実施された官吏登用試験「科挙」。制度上は家柄や身分の別なく受験できたので、極めて狭き門だった。第一関門の「郷試」は過酷さが伝わる。受験者は3日間、狭い個室に閉じ込められ、ほぼ徹夜で難問と格闘した

▼食料や水は持参。簡易トイレを持ち込む者も。外から夜風や雨が吹き込み、答案を汚さないよう苦労したとか。この3日間を、科目を変えて3回繰り返した。受験者の中には体調を崩す人もいたという。郷試の難関を突破した者だけが次の試験に進めた

▼あすから大学入学共通テストが始まる。31年続いた大学入試センター試験に代わり、初めて実施される共通試験だ。各大学の個別試験に向けた第一関門となる。もちろん、現代に科挙のようなひどい試験はあり得ないが、今回の受験生は例年とは比較にならないくらいのつらい思いを強いられた

▼英語民間試験導入が見送られるなど、制度設計のずさんさに振り回された。さらに新型コロナ禍である。休校やオンライン授業になった学校もあろう。受験を前に、もし感染したら、濃厚接触者になったら、という不安は家族を含め相当なストレスに違いない

▼あすは体調に留意し、これまでの努力の成果を出し切ってほしい。試験会場には、万全の感染防止策を望みたい

▼ちなみに唯一、科挙に合格したとされる日本人がいる。有名な人物だが、その話は次の機会に。

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