国民に届かない「自粛」メッセージ 抑止効果薄く、頭抱える政府

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が11都府県に拡大する中、政府が国民に呼び掛けるメッセージに頭を悩ませている。昨年4~5月以来となる「最後の切り札」の再発出で国民の行動変容を狙ったものの、今のところ劇的な人出の削減効果は得られていない。特に、宣言の外出抑止効果は10~20代の若者には「ほとんど及んでいない」(政府関係者)とされ、手詰まり感も漂う。

 西村康稔経済再生担当相は、15日の記者会見で「どういう形で広報すれば、国民に理解していただけるのか。周知を徹底していきたい」と述べ、再三の呼び掛けにもかかわらず人と人の接触が減らない現状に危機感をにじませた。

 NTTドコモのデータを基に内閣官房が作成した資料によると、14日午後9時時点で、宣言が発出された11都府県の繁華街の人出は前回宣言時の同じ曜日の平均と比べ、いずれも上昇。東京・新橋は最大の226・8%増、福岡市の中洲も76・8%増だった。

 政府がテレワークなどによって「7割削減」を目指す出勤者の割合も依然高く、前回の宣言時に最大7割近くまで減った首都圏、関西圏の駅の利用状況は、1月12日時点でそれぞれ34%減、19%減止まり。政府は15日から、JR新宿駅前の大型ビジョンに午後8時以降、「昼夜を問わず外出をなるべく控えてください」と表示する取り組みを始めたが、効果は未知数だ。

 政府の情報発信がちぐはぐとの指摘も。首都圏の1都3県に宣言を発出する際、政府は飲食店への午後8時までの営業時間短縮要請とともに、市民にも「夜間の」外出自粛をアナウンスした。だが後に「誤解がある」(西村氏)として、「昼間も含めた不要不急の」外出自粛にメッセージを切り替えることとなった。

 「宣言が再発出されたことすら知らない若者もいる。根本からアプローチを変えないといけない」とネットメディアの関係者。専門家の間では、物理的に人の移動を制限したり、事業者に対し休業要請したりといった強い措置を求める声も上がり始めている。

 (河合仁志)

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