『古九谷の里=ヤンベタ』 山口時一郎 著 (弘報印刷出版センター・1100円)

 佐賀県有田町黒牟田の山辺田(やんべた)窯跡は、古九谷様式の色絵磁器を焼いたことが考古学的に証明され、長年の古九谷産地論争を事実上、終結させた。黒牟田在住の元教員の著者は、郷土史会などで活動するうちにこの問題に興味を持ち、自伝も絡めて本書を自費出版した。日本最初の色絵磁器を焼成できたのは鄭成功政権の協力で、初期の陶工も中国人-など独自の見解もあるが、窯跡に対する地元の関心の薄さを嘆き、色絵磁器の原点として黒牟田を盛り上げようとの熱意が本書の真骨頂だろう。

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