甘~い「嬉野」売り込め 新幹線開業見据え、シュガーロードPR

 シュガーロード(砂糖の道)と称された長崎街道沿いでは、室町時代から江戸時代にかけて海外から輸入された砂糖をふんだんに使った独自の食文化が花開いた。昨年6月に日本遺産に認定され、佐賀県内では企画やイベントが展開されている。街道沿いの一つ、嬉野市でも地域活性化につなげようと独自の取り組みも始まっている。 (河野潤一郎)

 「若い人たちにも手に取ってもらえる菓子を作りたい」。かつて長崎街道の宿場町「嬉野宿」だった同市嬉野町の嬉野温泉商店街一帯。その一角にある創業90年超の菓子店「御歌屋(おうたや)菓子舗」の岡典子(みちこ)さん(63)は、日本遺産認定を機にした独自の菓子作りに知恵を絞る。

 写真映えを意識し、カップケーキの上に茶を練り込んだチョコレートを掛けたスイーツが候補の一つ。中には豆乳をベースに地元産のチーズや酒かすを使用したあんを詰める。

 同店には「茶々どら」という人気商品がある。うれしの茶を入れた皮であんを包んだどら焼きだ。これを基に、あんや皮に嬉野の緑茶や紅茶を使ったものか、別の店のようかんを皮で挟んだ菓子もいいのではと、岡さんは思案する。「昔からある落雁(らくがん)も捨てがたいが、今の人になじみがあるのか」

 新たな菓子作りは市内五つの菓子店が参加する市の日本遺産認定記念事業。うれしの茶を使うことを条件に各店が2月下旬までに開発し、3月にお披露目の発表会を開く予定。市観光商工課によると、シュガーロードと嬉野をPRする菓子を目玉に、来年秋の九州新幹線西九州(長崎)ルート暫定開業に向けて嬉野温泉駅での販売も想定している。

 岡さんは「新幹線開業の弾みになるよう、嬉野に来たら買って帰らんばという銘菓を作りたい」と意気込む。今月中に試作を始めるつもりだ。

 市の事業では、応援店舗として市内複数の菓子店がシュガーロードの情報発信に一役買う。新年度以降に共通のステッカーやポスターなどを店頭に掲示し、店を訪れた客にイベントや嬉野の歴史を伝える。

 市内ではシュガーロードをテーマにした企画展の準備も進む。市歴史民俗資料館は「砂糖王国展」(仮称)と題して、伝統の砂糖菓子「金華糖(金菓糖)」の実物や製作に使った型枠、砂糖を取り扱った問屋の古文書などを展示する計画。メイン会場は市内の「うれしの茶交流館チャオシル」を予定する。

 担当する輪内遼学芸員は「コロナ禍で開催のめどは立っていないが、市内の嬉野、塩田両地区でも砂糖がたくさん流通していたことを示す資料を見てもらえれば」と話している。

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