市場に出ない「雑魚」おいしさ知って 専門店営む、熊本出身32歳の夢

【ひと】雑魚専門の飲食店を営む、甲斐昂成さん

 大きさがふぞろい、まとまった数が取れない-。そんな理由で市場に流通しない魚を専門に提供する飲食店「カイズキッチン」を神奈川県二宮町で営む。近くの漁港で取れた雑魚を仕入れ、客のリクエストに応じて調理する。一般の飲食店が扱う鮮魚が年間200種類とも言われる中、提供するのは年間500種類ほど。「雑魚のおいしさを多くの人に知ってほしい」

 熊本県に住んでいた幼少期から、叔父と海に通い、太刀魚やコウイカ、メジナを釣り上げた。アジゴを300匹釣った時は、一匹残らず南蛮漬けやみりん干しにした。釣った魚を調理し、友人に振る舞うこともあった。

 趣味が高じ、熊本大で工学を学んだ後に上京し、飲食店の調理場で働いた。漁港を回ると、旬を外れ、小ぶりな魚は価格が付かないのを目にした。「鮮度がいいのに、もったいない」。2019年9月、雑魚専門の店を構えた。

 農林水産省によると、19年の漁業・養殖業生産量は416万トンで、1956年の統計開始以来、過去最低。水産資源保護が課題となる中、雑魚を廃棄しないため、魚種や脂の乗りに合った調理法を考えた。淡泊な白身のギンザメやシュモクザメはみそ漬けにして天ぷらに、ゴンズイは穴子のように煮て押しずしにすれば絶品。身が小さいネンブツダイは丸ごと唐揚げにし、1番人気のメニューとなった。

 漁や調理を体験できる宿泊施設を構えるのが夢だ。「味を知れば、価値を理解してもらえる。雑魚の魅力をもっと広めたい」。熊本県山都町出身。妻と長女と3人暮らし。32歳。 (下村ゆかり)

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