自宅待機は150人、福岡県警「第3波」が直撃 机で仮眠も…対応に苦悩

 新型コロナウイルスの感染「第3波」により、福岡県警で感染者が急増している。これまでの陽性者は85人で、うち今年に入って確認されたのは72人に上る。18日時点で警察署など4カ所でクラスター(感染者集団)が発生、感染者と接触した約150人が自宅待機となっている。警察の業務は不特定多数との接触が避けられない。県警は、捜査や防犯活動に支障を来さずに感染拡大を防ぐという難しい対応を迫られている。

 最初にクラスターが発生したのは飯塚署(同県飯塚市)。刑事担当課を中心に25人が感染し、県警本部から応援を出してカバーしている。署では感染防止のため、玄関前に止めたマイクロバスで来署者への受け付け業務を行っている。

 18日、玄関前で用事を済ませた飯塚市の70代男性は「署内に入らなくてよかったので安心した」と話した。

 今月7人の感染が判明した糸島署(同県糸島市)は、18日から運転免許更新業務を休止した。

 警察官は、来署者の対応や取り調べで不特定多数の相手と対面せざるを得ない。捜査活動は複数で行動するのが基本。当直勤務などでは同僚と寝食を共にする場面も多く、第2機動隊のクラスター発生場所は北九州市小倉北区の寮内の可能性がある。これまでの感染者の約4割が無症状で、県警内には「いつ感染してもおかしくない」との不安が広がる。

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 県警は各部署に、時差出勤や会議室を利用した分散執務を呼び掛けている。手指の消毒を徹底し、「飲み会は自粛で事実上の禁止」(捜査員)。警視庁は留置予定の全容疑者にPCR検査を実施すると決めたが、県警幹部は「福岡ではそこまでの態勢が整っていない」と頭を悩ませる。

 当直勤務で不安視されているのが、署員が交代で使用する寝具だ。福岡市のある署では当直室の使用人数を制限し、マスクを着用して仮眠している。リスクを避けようと、机に突っ伏して寝る署員もいるという。別の署の幹部は「消毒液を布団に吹きかけてから寝ている」と打ち明けた。

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 殺人事件などを担う捜査1課、贈収賄事件などが専門の捜査2課でも感染者が出たため、捜査への影響を懸念する声も出る。

 捜査幹部の一人は「事件発生に対応する人員を感染させないため、内偵事件などは慎重に捜査を進めている」。別の幹部は「捜査協力者との関係などを考えると、応援要員が簡単に事件を引き継げるわけではない。逮捕すべき事案を、警告で済ませてしまうような対応だけは避けないといけない」と危機感を漏らした。

 外出自粛によって地域の「防犯の目」が減り、街頭犯罪が増える懸念もある。県警は緊急事態宣言期間の2月7日まで、登下校の時間帯にパトカーや白バイで巡回する特別警戒隊を編成。18日、出発式に臨んだ生活安全部の幹部は「各部署で工夫して態勢を取り、治安維持と不安払拭(ふっしょく)に努めたい」と力を込めた。 (小川勝也、古川大二、長美咲)

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