繁華街の灯が消えた 時短要請の熊本市中心部 カラオケ中断、人影まばら

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた熊本県独自の緊急事態宣言により、18日から県内の全飲食店を対象に、営業時間を午後8時までとする時短要請が始まった。熊本市の繁華街では、早くからシャッターを閉める店が目立つ一方、「生活のため」と深夜営業を続ける店も。時短初日の街を歩いた。

 時折冷たい風が吹く18日の昼下がり。熊本市中央区の下通アーケードには、絶えず人が行き交っていた。市中心部では昨年末から時短要請が継続しており、人出が減った様子もない。

 路上には弁当を販売する店がちらほら。「なかなか店に人が来ないから」とカレーを売る男性。ただ、国の緊急事態宣言が出た昨年4~5月ごろに比べ、路上の弁当店は少ない気がする。

 同日午後7時20分すぎ、再びアーケードへ。照明が落とされたせいか、普段よりも暗く感じる。早々と店じまいする店を横目に、焼き肉店へ。「8時閉店にご協力を」と男性店員。注文を済ませ、急いで肉と白米をかきこんだ。

 午後8時前、入れ違いに男女3人組が入店した。「え、終わりですか」。落胆する男性の声が聞こえた。帰路につく人が目立ち始め、雑居ビルから聞こえていたカラオケの音楽も、午後8時過ぎ、歌の途中で演奏が止まった。

 一方、にぎやかな声がする居酒屋もある。毎日午前0時まで営業し、時短には応じない考えだ。店内では、多くのサラリーマンがビールジョッキを片手に談笑している。店主の男性(40)は「従業員の生活がかかっている。補償金以上の売り上げがあるから」と慌ただしく調理場に戻った。

 午後9時すぎ、スナックやバーが軒を連ねる通りから、人影が消えた。「時短」「臨時休業」。手書きの張り紙が風になびく。

 ビルから出てきたスナック経営の女性(57)は「夜しか開けられない業種はどうなるのか。毎日が不安」。立ち去る女性の靴音が、路地に寂しく響いた。

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 感染者が比較的少ない地域も例外ではない。

 水俣市では、多くの飲食店が入り口に時短営業の案内を掲げていた。同市浜町の洋食居酒屋「ビッグマリー2」は、通常より1時間早く開店。客席を減らした店内はほぼ満席だ。オーナーの浜治恒夫さん(64)は「きょうはお客さんが多いが、明日以降はどうなるか」とすっきりしない表情だ。

 友人2人と来店した自営業の女性は杯を傾けながら言った。「仕方がないとは思う。でも感染状況が逼迫(ひっぱく)しているとはいえない地域の店は、正直かわいそう」

 時短要請は2月7日まで。それまでに感染を抑制し、普段通りの「夜の街」に戻ることができるのか-。

 (長田健吾、松本紗菜子、村田直隆)

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