ショウガ湯に露天ぶろ、床暖房…寒がり動物たちの「あったか生活」

 20日は二十四節気の一つ「大寒」。一年で最も寒い時期と言われる。冬の厳しい寒さを動物園の生き物たちはどうしのいでいるのだろう。動物たちの「あったか生活」を探った。

 冬といえば「温泉」。湯煙に誘われるのは動物も同じだ。長崎バイオパーク(長崎県西海市西彼町中山郷)では、カピバラたちが水温35度の打たせ湯付き露天風呂に漬かり、温まっている。世界最大のネズミの仲間であるカピバラは本来、南米の温暖な地域に生息しているため寒さが大の苦手。肌の乾燥や病気を防ぐには水浴びが必要で、2008年に岩風呂を設置した。当初は警戒したが、今は湯の音を聞くと集まってくるほどという。

露天風呂に漬かり、くつろぐカピバラ(長崎バイオパーク提供)

 湯冷めしないのか心配になった。同パークの山口珠輝さんは「汗腺がないため汗をかかず、湯上りでも体温低下がほとんどありません。毛が密集していないため乾燥が早いことも体温低下を防ぐ理由です」と教えてくれた。 

 鼻先まで湯に漬かり、目を閉じてまどろんでいるような姿は、新型コロナウイルス禍で外出もままならない身からするとうらやましい限り。カピバラの露天風呂入浴は2月末まで毎日、正午~午後3時に行われる。 

        ◇◇◇

 体を温めたり免疫力を高めたりする食べ物で、元気に過ごしている動物もいる。

 福岡市動物園(福岡市中央区南公園)のボルネオオランウータンのミミ(雄)は、約10年前から冬場に毎日、ショウガ湯を飲んでいる。体を温めると言われるショウガをすってハチミツと水を加え、人肌程度に温める愛情たっぷりのスペシャルドリンクだ。人間には辛口だが、ミミはペットボトルからゆっくりと味わうように飲む。食欲増進にもつながっているらしく、同園の豊田彩子さんは「推定50歳を超える高齢になったけど、元気に長生きしてもらいたい」と願いを込める。

 平川動物公園(鹿児島市平川町)のチンパンジーはこの時期、長ネギをよく食べる。6頭に週当たり9キロが与えられ、3歳のイチロー(雄)もボリボリと豪快に音を立てて、あっという間に平らげる。同園の桜井普子(ひろこ)さんは「チンパンジーも風邪やインフルエンザに感染するので、免疫力アップのための工夫の一つです」。

(左)長ネギにかじりつくチンパンジーのイチロー(平川動物公園提供)(右)ショウガ湯を飲むボルネオオランウータンのミミ(福岡市動物園提供)

        ◇◇◇

 とは言っても、寒さ対策の主力はヒーターや床暖房などの暖房器具だ。

 福岡市動物園では、天井のヒーターの柵につかまって腹を温めるシシオザルをはじめ、チンパンジーや、インド北東部などを生息地とするジャコウネコ科のビントロングなどのくつろぐ姿が見られる。ヒーター内蔵の疑似岩などの上でまったり過ごすヒョウも愛らしい。

 ほかにも部屋に稲わらや落ち葉を敷き詰めたり、麻布や毛布を置いたり。飼育員の作業も大変だ。

 

(左)ヒーターの暖かさが心地よさげなビントロング(右)ヒーターが入った疑似木の上でくつろぐヒョウ(福岡市動物園提供)

       ◇◇◇

 どんより曇り空から日光が差してくると、寒さが苦手な動物たちもそわそわと動きだす。

 平川動物公園では3月ごろまで、太陽に向かって両手をいっぱいに広げるワオキツネザルのユニークな姿が見られる。暖かいマダガスカル島に生息し、体温調節が苦手。腹の白い毛の下に黒い皮膚があり、日光浴で太陽の熱を吸収して体温を上げるという。陽光パワーを全身に浴び、春の訪れを待っているかのようだ。(田中仁美)

太陽に向かって両手を広げるワオキツネザル(平川動物公園提供)

 

関連記事

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR