「誠に勇断」二階氏、露骨な首相ヨイショ 支持率下落、窮地の裏返し?

 新型コロナウイルスの封じ込めにつまずき苦境に陥っている菅義偉首相は、通常国会の論戦を乗り切れるのか-。20日、衆院本会議の代表質問で、首相を後見する自民党の二階俊博幹事長はそのリーダーシップをてらいなく持ち上げ、強力に援護射撃。対して立憲民主党の枝野幸男代表は、そのコロナ対応を「人災」と主張し、痛烈な批判を加えた。

 「不妊治療や(新型コロナの)PCR検査に対する全国民への支援を総理が決断されたことは、誠に勇断であったと思います」

 登壇した二階氏は、万事こんなあんばいで首相をたたえていった。世論で「後手」批判が強いコロナ対応に関しては「ビジネス入国の停止判断は、全体状況やタイミングを見て果断に対応された」と付け加えてフォローする念の入れよう。

 首相の力強さを引き出して印象付けるためか、北朝鮮による拉致問題の質問もこの日の昼、急きょ追加。首相に「一刻の猶予もない。条件を付けずに金正恩(キム・ジョンウン)委員長(朝鮮労働党総書記)と向き合う」と改めて決意の答弁を述べさせた。

 老練な二階氏の極め付きは、「地方の実情を理解している政治家の代表だ。地方に対する哲学、思いを」と首相の政治哲学を問うた場面。首相は、待ってましたとばかりに「現場の声に幅広く耳を傾け、国民目線で政策を進めてきた。まずは(コロナ)感染を収束させ、にぎわいのあるまちを取り戻すべく全力を尽くす」。一段と力を込めて呼応してみせた。

 現実には、報道各社の世論調査で内閣支持率を不支持率が上回るようになり、「何をやっても批判されてしまう」(首相周辺)との閉塞(へいそく)感漂うスパイラルに入っている。自民の衆院ベテランが「あれだけ、あからさまにヨイショするのは異例」と話すように、この日の問答はかえって政権がコーナーに追い込まれつつある事態を描き出す写し絵となった。

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 トップバッターに立った立民の枝野氏は、今を「東日本大震災と並ぶ国家の危機」と位置付け、質問時間の大半をコロナ対応に充てる戦術を取った。

 政府による緊急事態宣言の再発出が、立民の提案から3週間後だったと指摘。枝野氏は「根拠なき楽観論によって対応が遅れたことを認め、最悪を想定した対応へ転換すべきだ」と迫ったが、首相は「ご指摘のようには考えていない」と明確に否定した。

 立民の提案もアピール。まず徹底的な防疫によってウイルスを下火にし、その後に経済活動を再開させる「ゼロコロナ」を主張し、観光支援事業「Go To トラベル」の対応をはじめ、経済をより重視してきた従来の政府との違いを打ち出した。

 最後に質問に立った立民の逢坂誠二衆院議員も、「桜を見る会」問題の再調査などを首相に求め、「政治とカネ」の解明に手綱を緩めない姿勢を示した。

 (郷達也、川口安子)

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