人口3万、小さなチームが全国へ 少年ソフトで快進撃 監督は保育士

 人口約3万人の鹿児島県志布志市の子どもたちが今春、鹿児島県代表としてソフトボールの全国大会に出場する。都市部の強豪チームを打ち破っての快挙に、保護者だけでなく地元住民も大盛り上がり。地元の後押しを受け、大隅半島の片隅から「志布志」の名を全国に売り込む。

 チームは尾野見ソフトボールスポーツ少年団。メンバーは1~6年生15人で、うち14人は尾野見小(同市松山町)の児童。同小は市中心部の北にあり、児童数65人の小規模校だ。

 そんなチームが、県内163チームが出場した地区予選を勝ち抜き、昨年11月の県大会に出場。メンバー数が4~5倍の鹿児島市の優勝候補を破る番狂わせを演じながら、32チームの頂点に立った。

 チームは6年前、地元保育園の保育士をしている前田和彦監督(38)が「卒園後も子どもの成長を見届けたい。子どもが元気に駆け回る姿を地域の人たちに見せたい」と、メンバーを集めて始めた。練習時間は週2日で1回約2時間と短い。「ボールに触ることに飢えさせることで練習に集中できる。時間が長すぎると慣れてしまう」と、前田さんは秘訣(ひけつ)を明かす。

 一昨年は県大会初戦で敗れただけに、今回は初戦突破が目標だった。ところが、予想外の快進撃に「子どもたちの力に驚かされた。小規模校なりの団結力や負けん気が優勝につながった」と前田さんもびっくり。試合を通じて子どもの成長を感じたという。

 県代表の栄誉を地域の人にも分かち合ってもらおうと、子どもたちは昨年12月、校区内の約15軒を回って優勝を報告。学校近くで商店を営む冨松容子さん(73)は「こんな田舎の学校が優勝するなんて。子どもたちもしっかりあいさつをしてくれる」と感心しきりだった。

 保護者たちは子どもの写真を1人ずつデザインしたのぼりを作り、学校近くに設置した。練習を見に来たり、声を掛けたりする住民も増え、子どもたちへの期待が高まっている。同小の宗岡克英校長も「スポーツが盛んな地域性もあると思う。本当にうれしい」と大喜びだ。

 全国大会(第14回春季全日本小学生男子大会)は3月27~29日に山口市で開かれる。主将の5年川野陽平さん(11)は「みんなで助け合って県大会を勝つことができた。打撃をもっと強化したい」。エースの5年、園田脩斗さん(11)は「一戦必勝でいく」と意気込む。

 志布志市の隣の大崎町からは、中日ドラゴンズや阪神タイガースで活躍した福留孝介選手、西武ライオンズの榎田大樹選手らが巣立った。エースの園田さんの父親で、チームの練習を手伝う豊治さん(41)は「尾野見からもプロ野球選手が出てくれたら」と夢を膨らませている。

 (片岡寛)

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