簡単ビデオ通話「呼び鈴くん」九工大生開発 特許出願「地域貢献を」

 新型コロナウイルスの影響が広がる中で新たなビジネスに取り組もうと、福岡県飯塚市幸袋の広告代理店「プランニングエン」(大庭和史社長)は、九州工業大の学生6人による社内ベンチャーチームを発足。第1段の商品として、誰でも簡単に利用できるオンラインビデオ通話システムを開発した。学生たちは「他の企業の課題でも、学生の力で解決できることがあれば一緒に取り組みたい」と意気込んでいる。

 同社は「筑豊ラーメンフェスティバル」といったグルメや音楽などのイベントを手がけてきたが、昨春以降は新型コロナの影響で多くが中止に追い込まれた。

 昨年9月、同社でインターンをしていた九工大情報工学部3年の小椋大雅さん(21)と木下晃志さん(21)が、「学生でも会社の力になれることはないか」と大庭社長に相談。大庭社長は、コロナ禍でオンラインでのサービスが増える一方、「高齢者ら情報機器に慣れていない人が取り残されている」と感じていたことから、学生を主体とした使いやすい通話システムの開発を決めた。

 小椋さんが、プログラミング技術などを持つ同級生や後輩に声を掛け、6人のチームを結成した。同社が学生に課したのは「大学の授業を最優先とすること」。学生は授業に合わせてシフト制で出勤し、時には社内でオンライン授業を受けるなどして勉強と開発を両立。試行錯誤を重ねながら、年末に完成したのが「呼び鈴くん」と名付けたビデオ通話システムだった。

 「呼び鈴くん」は、会社のホームページなどに貼り付けられたボタンをクリックするだけで相手を呼び出し、通話ができる仕組み。最もこだわった点は、呼び出す側がアプリをインストールしたり、利用者情報を登録したりする必要がないこと。情報機器に不慣れな人は、初期設定でつまずくケースが多いことを考慮した。同社によると、同様の商品は前例がなく、特許も出願した。審査書類にはプログラミングを担った同大3年・三反陽介さん(21)の名が開発者として記されている。

 現在は、来月の発売に向けて価格や営業方法を検討中。活用場面としては通販サイトの接客相談、不用品回収の見積もり、観光地でのオンラインガイドなどを想定している。活用アイデアのコンテストを開く準備も進めているという。

 メンバーは、海外向け通販サイトの利用促進サービスなど、次の商品開発も進めている。リーダーの小椋さんは「チームに筑豊出身はいないが、今後も地域に貢献できればうれしい」としている。同社=0948(25)1933。 (長美咲)

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