協調回帰に期待と不安 バイデン米大統領就任

 バイデン米大統領は20日の就任直後からトランプ前大統領の政策を次々と覆し、路線転換を鮮明にした。国際協調への回帰を掲げるバイデン政権の誕生で、世界はどう変わるのか。各国は新たな対米関係をにらみ、期待と不安が交錯した。

対立緩和は不透明/中国

 米中対立が先鋭化する中、中国はトランプ前米大統領が連発した対中制裁に苦しんできた。習近平指導部は米国の政権交代を機に関係修復を図りたい考え。地球温暖化対策での協調を糸口にバイデン政権の動向を探るが、デタント(緊張緩和)への道筋は不透明だ。

 中国外務省の華春瑩報道局長は21日の記者会見で、バイデン大統領就任について「社会制度や文化が異なる中米両国に食い違いがあるのは当然。対話と協力で世界の平和と安定に努力していくべきだ」と述べた。

 中国は貿易協議で、水面下の交渉内容を暴露したり、合意を急に覆したりするトランプ氏の不規則な言動に振り回されてきた。「ゲームのルールを守るバイデン氏の方がまだ付き合いやすい」(外交筋)という認識があるのは間違いない。

 ただ、バイデン氏や米民主党は、新疆ウイグル自治区での人権侵害や香港抑圧に厳しい姿勢を示す。中国も香港や台湾など「核心的利益」では譲れないと明言してきた。態度の軟化は互いに国内で弱腰批判を招きかねず「米中対立の長期化は避けられない」(日中関係筋)との見方が根強い。

 中国の海洋進出も焦点の一つ。中国では、海上警備を担う海警局に武器使用を認める「海警法」が22日に成立の見通しで、新たな火種となりそうだ。 (北京・坂本信博)

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