日米会談見通せず 政府関係構築急ぐ コロナ禍オンラインの順番懸念

 日米同盟を外交の基軸とする日本政府は、菅義偉首相とバイデン大統領との会談を早期に実現し、首脳間の信頼関係構築を急ぎたい意向だ。ただ、日米両政府はともに新型コロナウイルスへの対応に追われ、首相の初訪米の時期は見通せない。首脳会談は春以降にずれ込む可能性も出ている。

 首相は21日、官邸で記者団の取材に応じ「新大統領との関係を緊密にし、日米同盟をさらに強固なものにしたい」と強調。バイデン氏の就任演説を「国民に結束を訴えた、大変力強い演説だった」と称賛した。

 日本の歴代首相は米大統領の交代時、早期の首脳会談にこだわってきた。2009年2月には当時の麻生太郎首相が訪米し、オバマ氏就任後初の外国首脳として会談。17年2月には当時の安倍晋三首相が副総理の麻生氏らを伴って訪米、トランプ氏と会談した。

 日本の首相が早期会談にこだわるのは、大統領が交代しても日本の安全保障に米国が関与することに変わりがないことを周辺国に再認識させたいからだ。北朝鮮や中国に米国の抑止力を誇示するだけでなく、韓国に対して米国の同盟国では日本が「格上」だと見せつける狙いもある。

 こうした思惑から菅首相も2月中の訪米を模索するが、情勢は厳しい。官邸幹部は「米国の意向次第。コロナの状況もある」。対米外交筋によると、バイデン氏は当面、外国首脳との直接会談を避け、オンラインで会談するのではないかとの観測もある。

 そこで関係者が気をもむのが電話会談の順番だ。バイデン氏はトランプ政権時代に悪化した欧州との関係修復に注力するとみられ、欧州首脳との電話会談を優先するとの見方が強い。外交筋は「日本が後回しになると、バイデン政権はアジア重視ではないと(中国や北朝鮮に)受け取られかねない」と懸念する。

 もっとも、新政権の外交・安全保障分野の要職にはオバマ政権時代の高官が少なくない。ホワイトハウスの新設ポスト「インド太平洋調整官」に知日派のカート・キャンベル氏が起用されるなど「かつての人間関係や信頼関係がある。日本外交にとって心強い」(岸田文雄元外相)と安堵(あんど)感も広がる。 (古川幸太郎、前田倫之、河合仁志)

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