バイデン米大統領就任「歴史的危機打開へ団結」分断深刻厳しい船出に

 【ワシントン田中伸幸】米民主党のジョー・バイデン氏(78)が20日(日本時間21日)、第46代大統領に就任した。民主党の政権奪還は4年ぶり。就任演説では米国が「歴史的な危機」に直面していると強調。「団結こそが前進への道だ」と訴え、政治的対立など「野蛮な闘いを終わらせなければならない」と呼び掛けた。その後、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」への復帰などに関する大統領令に署名。共和党のドナルド・トランプ前大統領(74)が展開した政策の見直しに着手した。

 バイデン氏は世界最悪の被害が続く新型コロナウイルス対策として、連邦施設内などでのマスク着用を義務化する大統領令にも署名。世界保健機関(WHO)の脱退に向けた手続きの停止も決めた。トランプ前政権の「米国第一主義」から国際協調路線へと大きくかじを切る。

 就任式は、大統領選の不正を訴えたトランプ氏の支持者らによる襲撃が今月6日に発生したばかりの連邦議会議事堂前で開催。2万5千人以上の州兵が抗議活動や暴動を警戒し、議事堂周辺などへの一般市民の立ち入りが禁止されるなど異例の厳戒態勢が敷かれたが、米メディアによると目立った混乱はなかった。

 バイデン氏は演説で、米国が新型コロナ禍のほか、大統領選の結果を覆そうとした議事堂襲撃など民主主義への攻撃、偽り、人種差別、気候変動といった問題に「同時に直面している」と強調。大統領選などを巡り共和党対民主党、農村対都市、保守対リベラルの構図で社会の分断が激化した現状に危機感を示した。

 その上で「分断する力は深刻だが、互いを敵として見るのではなく、尊厳と敬意を持とう」と呼び掛け、国民の結束を取り戻すため全霊を尽くすと誓った。

 外交に関しては、トランプ政権下で一部に摩擦が生じた同盟関係の修復を目指す考えを示した。対立が深まる中国に関する言及はなかった。ホワイトハウスは20日夜、バイデン氏が22日にカナダのトルドー首相と初の電話首脳会談を行うと発表した。

 就任式には退任する大統領の出席が慣例だが、トランプ氏は152年ぶりに欠席した。マイク・ペンス前副大統領(61)は出席し、バイデン氏と、女性、黒人、アジア系として初の副大統領に就任したカマラ・ハリス氏(56)に祝意を示した。

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