バイデン米大統領就任「歴史的危機打開へ団結」分断深刻厳しい船出に (2ページ目)

分断深刻厳しい船出に

 【解説】世界最悪の新型コロナウイルス禍に襲われ、社会の分断がかつてなく深刻化する中、バイデン米大統領(民主党)は就任当初から難しい政権運営を余儀なくされる。初日から17の大統領令などに署名して実行力をアピールしたのも、決して盤石ではない政権基盤の安定化を図りたい事情を反映している。

 バイデン氏は昨年11月の大統領選で史上最高の8千万票以上を獲得したが、熱狂的に支持されたわけではない。現職大統領として歴代最多の7400万票以上を獲得したトランプ前大統領が選挙不正を訴え続けたことも影響し、選挙結果を巡り世論が二分。ある世論調査では共和党支持層の7割が「(バイデン氏の)当選を認めない」と回答する。

 与党民主党が連邦議会上下院で主導権を握るとはいえ、上院は同数で並び、下院の差もわずか10議席程度。さらに党内では台頭する急進左派が閣僚人事を巡って早速批判を強めており、深刻な路線対立に発展しかねない事情を抱える。

 2022年秋の議会中間選挙で民主党が多数派を失えば、共和党に議会を支配され「チェンジ」を十分に果たせなかったオバマ政権の二の舞いになりかねない。当時、副大統領だったバイデン氏はねじれ議会での政権運営の難しさを身に染みて分かっているはずだ。

 来年80歳のバイデン氏には、常に健康不安が付きまとい「1期4年のみ」との見方が有力だ。コロナ禍の克服や経済再生、分断の解消など課題は山積する。待ったなしの対応が求められる。 (ワシントン田中伸幸)

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