感染防止も支持拡大も…ジレンマ抱え 緊急宣言下で北九州市議選告示

 22日に告示された北九州市議選は、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言下でスタートした。候補者は有権者への訴えと感染対策の両立というジレンマを抱え、難しい選挙戦を繰り広げる。「活動をどこまで自粛するか」。対応もまちまちで横目で他候補の動きを見ながら検討する陣営も。コロナ禍で疲弊しきった地域経済などを巡る論戦が展開される。

 八幡西区の中堅の現職は22日朝、小雨が降る中で後援会幹部ら十数人と神社で必勝祈願した。例年200人近く集めていた出陣式は中止。演説会を重ねるスタイルも変更して選挙カーや街頭演説に重きを置く方針。「不安でいっぱい。有権者に直接会い、自分の思いを伝えることが難しい」

 門司区の新人は公園に約100人を集めて出陣式を実施。検温や消毒など感染対策を徹底したものの支持者らが密集する場面も。陣営関係者は「盛り上げなければ現職が有利。自粛する余裕はない」と強調した。若手の新人らが会員制交流サイト(SNS)で運動を実況中継する姿もあった。

 与野党は市議選を次期衆院選の「前哨戦」と位置づけ、昨年12月には与野党の幹部が応援に駆け付けた。だが告示間近の今月13日、福岡県が緊急事態宣言の対象に。街頭活動時間の一律短縮を模索する動きもあったが意見はまとまらず、主要会派の代表者会議では議題にも上がらなかった。

 小倉北区の現職は初日の選挙カー活動を1時間短縮する予定だが「最終的には他候補の動きを見て判断したい」と迷いも見せる。

 企業・団体への訪問など多くの活動を自粛している中堅の現職は「選挙ムードが高まらず、手応えもまったくない」と漏らす。

 同じく緊急事態宣言下で行われた昨年4月の福岡県行橋市議選は投票率が前回を15・66ポイントも下回り、45・11%で過去最低を更新。同月の鹿児島市議選も約5ポイント低下した。小倉南区の現職は「組織票が固い現職有利」とみるが、別の現職は「組織の引き締めができず、影響は未知数」と打ち明ける。

 北九州市はコロナ禍で基幹産業の製造業が大きな打撃を受け、観光産業や飲食業も厳しい状況が続く。人口減少や高齢化などコロナ以前からの課題も深刻だ。同市小倉北区の男性会社員(44)は「コロナ禍で街の活気が失われた。コロナ対策だけでなく、身近な地域活性化策なども議論してほしい」と話した。(西山忠宏、白波宏野、岩谷瞬)

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