コロナで苦境…支援金を有効活用するには?専門家に聞く

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、福岡を含む全国11都府県に緊急事態宣言が再発令された。国や自治体は苦境に陥った個人や事業者に給付や貸し付けなどさまざまな支援を打ち出している。具体的にどのような施策が活用できるのか。二つの事例を想定して、実務に当たる専門家に聞いた。 (くらし取材班)

飲食店パート 休業で収入減のひとり親世帯

 ケース(1) 福岡県志免町の飲食店パート従業員女性。小学生の子ども2人がいるひとり親世帯。収入は手取りで月10万円弱。他に児童扶養手当と児童手当計約7万3千円。店は昨年の緊急事態宣言で一時休業。今回は時短営業を続けるが、女性は当面休みに。

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 事業主が休業手当を支払わない場合、中小企業の従業員であれば自ら新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を申請できる。支給額は休業前の平均賃金の8割(上限日額1万1千円)で、パートやアルバイトも対象だ。

 申請書類には事業主の記入欄がある。仮に事業主が対応しなければ「なぜ事業主が協力しないか、その理由と思われる事情を申請者が記せば、労働局が事業主に直接聞き取りを行う」(厚生労働省)。

 住まいの確保は最重要課題の一つ。家賃を補助する住居確保給付金を活用したい。福岡県などから自立相談支援機関の業務を請け負う社会福祉法人グリーンコープ(福岡市)によると、女性の場合は最大月4万8千円。収入(児童扶養手当など含む)が月15万7千円以下なら満額支給される。期間は原則3カ月で、3回延長(最長12カ月)できる。

 もともと児童扶養手当を受けていたこの女性は臨時特別給付金が自動的に支給された。コロナ禍でさらに収入が減れば、申請により5万円が追加給付される。新たに児童扶養手当の対象水準まで収入が落ち込んだ人も申請すれば特別給付金を受給できる(追加給付は対象外)。

 生活費などに充てる貸付制度の緊急小口資金総合支援資金もある。ただすでに満額借りた人は活用できない。グリーンコープの担当者は「政府の支援事業だけでは打つ手は限られつつあるが、ほかにも打開策は考えられる。各地域の自立相談支援機関にぜひ相談してほしい」としている。

飲食店経営者 持続化給付金を昨年受け取る

 ケース(2) 福岡市・天神で居酒屋を経営。従業員はアルバイト含め10人。月々の家賃20万円、光熱費16万円。コロナ禍で売り上げが半減以下に。持続化給付金は昨年、受け取った。

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 選択肢の一つに店の休業がある。福岡県社会保険労務士会によると、業種にかかわらず事業者が休業したり、従業員の勤務時間を短縮したりする場合、従業員に支払う休業手当の一部を国が助成する雇用調整助成金が利用できる。もともとある制度だが、コロナ禍の特例制度で雇用保険未加入のアルバイトやパートも対象となった。助成率も引き上げられ、解雇せず従業員の雇用の大半を維持すれば、中小企業は最大全額、大企業は同4分の3が助成される。上限額は従業員1人日額1万5千円。

 休業しても店の家賃は発生する。支払いが困難な場合、家賃支援給付金が利用可能だ。この店は家賃20万円なので、その3分の2が6カ月分、支給される。ただ申請は1回限りだ。

 売り上げが半減すれば最大200万円の持続化給付金の対象となるが、この店は前回の緊急事態宣言時にすでに支給を受けており、2度目の支給はない。

 もう一つの選択肢は時短営業だ。福岡県では午後8時までの時短に応じるか、休業する飲食店などに1店舗日額6万円が支給される。ただ申請は緊急事態宣言の解除後にまとめて受け付けるという。福岡市ではテークアウト(持ち帰り)に取り組む店に20万円を独自に支給。2月中旬ごろから随時支払う予定だ。

 そのほか、妊婦や高齢家族を介護中の従業員などを対象に独自の有休制度を設ける企業への助成も新設、拡充され、各地の労働局が窓口となっている。県社労士会は「ほかにもさまざまな支援がある。社労士会の無料相談など専門家を活用してほしい」としている。

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