佐賀県内 時短スタート「明かり消せぬ…」コロナ禍の繁華街を歩く

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、佐賀県の要請に基づく飲食店の時短営業が21日、始まった。要請に応じ午後8時で店じまいする店主の姿が多く見られた。一方、夜の接客がメインの店などでは、出入り口に要請期限の2月7日まで休業するとの張り紙もあった。初日の夜、飲食店の動きを追って繁華街を歩いた。

 午後6時半ごろ、JR鳥栖駅。サラリーマンや学生が帰路に就く中、周辺の飲食店では出入り口に休業や時短営業を知らせる張り紙が出ていた。千葉県から出張で訪れた40代男性は「一杯飲みたかったが、仕方ない」とつぶやいた。

 駅近くの居酒屋「ひろ」では、県が求める酒類提供期限の午後7時が迫ると、店主の梁井タツエさん(66)が「お酒は終わり」と声を掛けた。常連の60代男性は「時短でも店が開いていれば飲みに来る。少しでも売り上げに協力したい」と笑顔で飲み干した。

 感染拡大が目立つ鳥栖市内。梁井さんは「本音は休業したい。でも、従業員の生活を考えて開けると決めた。常連の顔を見るとほっとするね」。

 同市の飲食店「食堂TOPO」も時短要請を受け入れた。夜メニューは限定し、ランチとテークアウトを充実させた。店長の楢崎耕佑(こうすけ)さん(38)は「飲食業は街の活気の源。経営的にはカツカツだが仕入れの数を絞り、工夫して乗り越える」と前を向く。

 一方でスナックは軒並み休業。その一つ「ニュー・トスクイーン」のママ、大島佐和子さん(67)は「従業員には申し訳ない。コロナが早く収まり、また常連に会いたいね」と願った。

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 佐賀市の繁華街ではランチ営業を始めたり、夜間だけだった営業を昼にも拡大したりする店もあった。

 カラオケも楽しめる松原2丁目の「花だいこん」は午後6時だった開店時刻を21日から同1時に変更した。周辺では休業する店も目立つが、経営する横田裕子さん(72)は「家にいても落ち着かない。休むのは選択肢になかったわね」。

 愛敬通りの「酔心」を営む西村加寿吉さん(39)も昼と夜に分けていた営業を午前11時~午後8時の通しに変えた。客は激減し、利益はほぼ見込めないが「愛敬の明かりを消してはいけないと思った」。

 午後7時半には酔客の歌声が響いていた白山名店街は、同8時には静寂に。店の明かりも次々に消えた。タクシー運転手は「2月8日以降に客が戻ってくれば良いが」と肩を落とした。

 県内でも20人台の感染が連日続き、収束は見えない。それでも、愛敬通りの「旬房」店主の工藤俊一さん(37)は希望を捨てていない。「コロナに振り回されず、なんとかなると信じて前を向きたい」

 (星野楽、金子晋輔)

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