「挑戦者の時と変わらぬ気持ちで」藤井二冠、将棋タイトル防衛へ決意

 2020年に大活躍した将棋の高校生棋士、藤井聡太二冠(18)。7月に史上最年少で初タイトルの棋聖を獲得すると、8月には第61期王位戦7番勝負(西日本新聞社主催)で王位を奪取し、最年少の二冠になりました。今年はタイトル防衛戦に登場します。今年も藤井二冠から目が離せません。

 -昨年1年間を振り返ると。

 ★藤井 昨年は初めてタイトル戦の舞台を経験し、立場や肩書も変わった1年でした。タイトル戦の舞台に立つことができ、自分にとっては大きな収穫でした。ただトップ棋士との対戦が増える中で、自分の足りない面を感じることも多かったなと思います。

 -新型コロナウイルスの影響で対局の延期もありました。

 ★藤井 国内は感染が収まらない状況で、手洗いやマスクという基本的なことをしっかりしつつ、対局ができるのは恵まれたこと。何とか対局に全力で臨むことに集中したい。

 -ネット上での対局練習については。

 ★藤井 地方在住だとなかなか対局する機会が限られるので、普段対戦できない相手、自分より強い相手とも対戦しやすいメリットがあります。奨励会の頃からずっとやってきたんですけど、ネットで強い方と指すのがいい経験になったと思います。相手の顔が見えないという点で、つい熱くなってしまうのは自分も経験があります。負けを取り返そうと思ったらまた負けるという(笑)、冷静に越したことはないなあ、と。その辺りを気を付けて楽しんでもらえれば。それと、ネットでは感想戦をしない場合が多いので、自分一人で振り返ってみることがいいのかな、と。

 -新しいパソコンを導入して、研究に変化はありますか。

 ★藤井 ハード面に関しては、個人でそろえられるレベルです。まあ後は自分の研究なのかなあと思います。ソフトが強くなったとしても、目標は自分が強くなることなので、それをしっかり意識して活用していきたい。ソフトが強いのは確かですが、ソフトが定跡だと示しても、それを自分の定跡にするときに解釈が出てきます。

 -いよいよ高校を卒業します。

 ★藤井 対局しながら学校に通うのは、時間的に大変なときもありましたが、自分にとっては気分転換につながりましたし、視野を広げるという意味でもいい経験になりました。

 -昨年秋の王将戦挑戦者決定リーグで陥落したのが残念でした。

 ★藤井 王将戦は出だしが悪かったので、そんなものかと思っています。挑戦できなかったのは残念ではあります。

 -王位就位式(昨年11月)はどうでしたか。

 ★藤井 あらためて就位式を迎え、対局を解説し、当時を思い起こしました。

 -新年の抱負は。

 ★藤井 2021年は、もっと実力を付けて、タイトル戦など大きな舞台をより多く経験できるようにしたいです。

 -色紙に「初心」と記しました。その思いは。

 ★藤井 将棋を始めたときや四段に昇段(プロ入り)したとき、あるいは初めてタイトル戦の舞台に立ったときの新鮮な気持ちを忘れずに取り組んでいきたいという思いです。

 -王位防衛への意気込みは。

 ★藤井 防衛戦は初めてで、その立場で迎えることになりますけど、挑戦者の時と変わらない気持ちで臨みたい。

 -王位戦7番勝負では全国各地を転戦します。

 ★藤井 王位戦は、北海道から九州まで行く、対局者にとって楽しい棋戦というイメージがあります。各地の名物を楽しみながら、いいコンディションで臨みたいです。

 (文・根井輝雄)

 ▼ふじい・そうた 2002年7月19日生まれ、愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下。16年10月、史上最年少の14歳2カ月で四段(プロ入り)。デビュー以来29連勝(歴代1位)を記録した。20年7月、史上最年少の17歳11カ月で初タイトルの棋聖を獲得。同8月、王位戦7番勝負で木村一基王位(当時)を4連勝で破り、二冠目の王位を獲得。

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