雲仙・普賢岳 山頂でたき火「絶対だめ」環境省事務所が呼びかけ

 たき火や動植物の採取が禁じられている雲仙天草国立公園の特別保護地区に指定されている長崎県雲仙・普賢岳(1359メートル)山頂付近で、元旦の登山者がたき火をしていたことが分かった。地元消防団員の注意を無視し、後始末もせずに下山したという。環境省雲仙自然保護官事務所(雲仙市)は「自然公園法などに抵触し、山火事の恐れもある。たき火は絶対にやめてほしい」と呼びかけている。

 関係者によると、初日の出を見るため登山した消防団員らが1日午前7時ごろ、男性数人が山頂近くの祠(ほこら)の横でたき火を囲んでいるのを見つけた。たき火を禁じた特別保護地区であることを伝えても、男性らは「はい、はい」と繰り返すのみで注意を無視。後始末も要請したが、燃えかすや灰に雪をかぶせて放置したまま立ち去った。角材を持ち込んで燃やしたとみられ、悪質という。現場そばには「山火事予防」の看板もあった。

 山頂付近では、昨年の元旦も男性がたき火をし、消防団員に注意されても「分かっとっちゃ。大丈夫」など強い口調で開き直る事案が起きていたという。雨や雪でも樹木の枝先が焼けたり、燃え広がったりする可能性があり、関係者は神経をとがらせている。

 自然公園法に基づく特別保護地区は、公園内でも優れた景観や手つかずの自然を保ち最も厳しい規制が必要なエリア。原始性の高い森林が残る普賢岳山頂周辺は同地区のほか、文化財保護法の「特別名勝温泉(うんぜん)岳」、国の天然記念物「普賢岳紅葉樹林」に指定されている。

 昨年4月には阿蘇くじゅう国立公園の立中山(たっちゅうざん)(大分県竹田市)で登山者のガスバーナーの火が草木に燃え移り、山頂付近のミヤマキリシマの群落約1ヘクタールを焼失。再生までに10年以上かかるとみられる被害が出た。

 雲仙自然保護官事務所の服部恭也自然保護官は「(林野庁など)関係機関と連携し、たき火の禁止の徹底を働きかけたい」と話した。

 (真弓一夫)

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