コロナ禍、活動費不足受け休眠預金1.6億円災害支援団体へ 九州5法人

 九州の公益財団法人やNPO法人が共同し、災害復旧支援に関わる団体に総額1億6千万円を助成するプロジェクトを3月にも始める。新型コロナウイルス禍で活動費などの確保が困難になっている現状の改善を目指す。資金は、長期にわたって取引がない預貯金を社会貢献に活用する「休眠預金等活用法」の制度で調達。制度を使った災害支援としては国内最大級の規模で、九州全体での試みは初めて。

 土砂撤去や生活再建など災害復興にはボランティア団体、NPOといった民間の支援は不可欠だが、コロナ下での寄付減少や行政からの啓発事業の委託減などで活動費不足に悩む例は少なくない。県をまたぐ支援が頼りづらい中、各地の団体が自前で人材を確保するなど基盤強化も必要とされる。

 休眠預金制度は2019年度に本格運用が始まり、九州でも困窮者支援や空き家活用のNPOなどが利用している。

 今回はコロナが招いた社会課題解決の資金事業で、福岡、佐賀、長崎、大分、宮崎各県の公益財団や一般財団、NPOの5法人による共同プロジェクトが採択された。構成する公益財団法人「佐賀未来創造基金」(佐賀市)をはじめ、寄付を元にした社会貢献型の基金運用の実績などが評価された。

 5法人が資金分配団体になり、九州各県で被災者支援や防災啓発にあたるNPO、社会福祉協議会、企業に資金を差配。助成総額は運営費を除く約1億6千万円で、規模や活動に応じて1団体につき500万~5千万円(3月から1年間)を補助、運営も助言する。資金は人件費や移動費など幅広く利用できる。資金分配団体がない熊本や鹿児島両県もカバーするという。近く助成先を公募する。

 支援団体が連携するネットワークも新設する。プロジェクトを率いる佐賀未来創造基金の山田健一郎代表理事は「ノウハウや情報を共有し、企業や市民からの寄付の受け皿にもしたい」と話す。 (大坪拓也)

【休眠預金制度】休眠預金等活用法に基づき、普通預金や定期預金などのうち2009年1月1日以降の取引から入出金などが10年以上ないものを、社会課題の解決や公益活動の促進に充てる制度。内閣府によると年間1200億円程度の休眠預金が発生しており、制度開始の19年度以降で総額78億円が助成事業に充てられた。民間主体で運用される。また、休眠預金となっても預金者は手続きをすれば預貯金を引き出せる。

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