門司港「S級グルメツアー」飲食店経営者がコロナ後見据え準備

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で観光客が激減する門司港地区(北九州市門司区)を活性化させようと地元の飲食店経営者が、新たな観光事業づくりに乗り出している。その名も「S級グルメツアー」。普段は予約がなかなか取れない地元の名店も含めた複数の飲食店を一晩ではしごしてもらい、「B級」どころか「A級」をも超える各店自慢の料理を続けて味わってもらう内容。「コロナ後」を見据えて準備を進めており、昨年12月には観光業関係者向けにモニターツアーも実施、記者も参加した。

 準備を進めるのは地区で伊万里牛専門の焼き肉店「門司笑」を経営し、観光イベントも手掛ける厳洞(がんどう)秀樹さん(47)。地区を訪れる観光客の多くは日中に来てレトロ施設を見て回り、昼食は焼きカレーなどを食べるものの、夕食は取らずに博多などに移動する「通過型」とされる。厳洞さんは夜も地区の飲食店に観光客を引き寄せ、地区全体をより活性化させたいとS級グルメツアーを発案した。

 昨年12月のモニターツアーは全国各地から観光業関係者約10人を招いて実施。

 最初に訪れたのは厳洞さんの「門司笑」。参加者全員でビールで乾杯していると大皿に乗った「伊萬里牛サーロインスライス」が運ばれてきた。割り当ては1人に肉1枚。ステーキのような大きさ(長さ約30センチ)の薄切り肉で霜降りが見事。厳洞さんがしちりんで1枚ずつ焼いてくれた。

 肉のうまさに「もう1枚!」と求める参加者もいたが「一口食べて次の店に移るのがミソ」と厳洞さん。各店の自慢料理を少量ずつ「いいとこ取り」して最終的に大満足してもらうことこそがこのツアーの売りなのだという。

 2軒目は栄町銀天街近くのふぐ料理店「志げる」。1921年創業の老舗で普段は予約がなかなか取れない人気店だ。

 大皿いっぱいに並べられたふぐの刺し身がお目見えすると参加者は大盛り上がり。ふぐは関門海峡でとれたトラフグ。それを味わいながら、ふぐのひれ酒もいただく。おいしい。どの参加者も幸せを感じているようだった。

 締めくくりは同銀天街内の和食店「馳走(ちそう)や 和楽」。地元では知る人ぞ知る名店。振る舞われたのは直径約20センチのどんぶりに入った特大の茶わん蒸し。大将がタイなど4種のだしを使い、時間をかけて蒸し上げたものだ。具材はしめじや餅。そのボリュームに最初はおののいたが、ふわふわの優しい口当たりと美味にさじが止まらず、あっという間に平らげてしまった。

 結局、モニターツアーでいただいたのは主に「伊萬里牛サーロインスライス」1枚、ふぐの刺し身、特大茶わん蒸しの3点と、ビールなどのアルコール類。参加した観光業の小野宗昭さんは「(門司港が)こんなに一流の食事が楽しめる街とは思ってもいなかった。また訪れたい」とご満悦の様子だった。

   ◇    ◇ 

 S級グルメツアーはコロナの感染拡大や緊急事態宣言の状況を見ながら3月にも本格的にスタートさせる予定。観光会社と提携し、ツアーを組み込んだ門司港地区の観光プランを始動させる。ツアーを単独で利用したい場合は前日までに厳洞さんに直接申し込む。

 今回のモニターツアーで巡った3店舗以外にも、S級グルメツアーに協力する店が現時点で六つあり、店の組み合わせやはしごの軒数は参加者が決めることができる。ツアー単独利用の飲食代は各店でそれぞれ支払う。単独利用の場合、料金は1万5千~2万円が目安。

 厳洞さんは「門司港を『平日に仕事を休んででも訪れたい』と思われる観光地に成長させたい。門司港の夜の食文化の魅力を多くの人に知ってもらえれば」と意気込む。申し込みなどは門司笑=093(331)5171。 (白波宏野)

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