何者?長崎に出没「水仙マン」 夢半ばで帰郷、再起の歌手デビュー

 人口流出に悩む長崎市野母崎地区の花、スイセンにちなんだキャラクター「水仙マン」が誕生から1年。写真共有アプリ「インスタグラム」を通じて地域の魅力を発信し、フォロワーは2700人を超えた。歌手デビューも果たし、じわり人気だ。その正体は、何者? 水仙マンが働くという店を訪ねた。

 「生まれた町で、育った町で想(おも)いを形にしていくんだ♪」。海岸に面した同市脇岬町の土産店「番屋」に入ると、いきなりいた。花を模した頭部と鮮やかな緑色のボディーの水仙マン。自身のテーマソングを振り付きで歌っていたが、記者に気がつくと、逃げるように店を出て行く。

 代わりに姿を現したのは経営者の山崎楓太さん(25)。水仙マンとは友人であり、一緒に働いているという。野母崎出身の山崎さんは歌手を目指して3年前に上京し、夢半ばで帰省。そして、自然豊かな地元の魅力に気づいた。

 地元を盛り上げるため、昨年6月に友人だった水仙マンと「番屋」をオープン。土産物の販売だけでなく、店内にはいろりやカラオケセットを置き、バーベキューや近所の飲食店からの出前で食事もできるようにした。旅行客や地元住人が集う、そんな交流の場を目指している。

 水仙マンについて聞くと、「正体は秘密ですが、それ以外なら」と、教えてくれた。水仙マンは昨年1月、水仙の里(同市野母町)に1千万本のスイセンが咲き誇った「のもざき水仙まつり」(今年は新型コロナウイルスの影響で中止)の期間中に、どこからともなく生まれた、という。

 山崎さんが運営するインスタグラムのアカウントを使い野母崎の名所や食べ物の写真を投稿。地域の行事で歌を披露するなどの活動をしている。「一人じゃなにもできない頼りないやつ」とのことで、店の仕事はほとんど山崎さん。水仙マンは客に頼まれて歌うくらいだ。

 それでも山崎さんには水仙マンの活躍がまぶしく思える。自分が一度は離れた野母崎に貢献し、夢だった歌手デビューもした。「彼の活躍を見ると僕も頑張らなきゃって思うんです」。水仙マンと山崎さん、故郷を愛する2人の姿が重なって見えた。 (西田昌矢)

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