火野葦平作品の世界に浸る 没後61年朗読会

 北九州市若松区出身の芥川賞作家、火野葦平の没後61年を迎えた24日、同区の旧古河鉱業若松ビルで朗読会があった。石炭の積み出し港として栄えた戦前の雰囲気が残る会場で約25人の参加者が葦平作品に耳を傾けた。

 「普段着で読む『北九州』」と題したシリーズの一環。直方市立図書館長の野口和夫さん(58)らが、他のカッパの皿をうらやみ、秘密を聞こうとする戯曲「紅皿」、ブラックユーモアに満ちた童話「首を売る店」や短編小説など計6編を朗読。後半は同区の高塔山公園にある「河童(かっぱ)封じ地蔵」を描いた「石と釘(くぎ)」を参加者が順番に朗読した。

 同区中川町の生花店勤務、小林明美さん(47)は「祖父が戦地で葦平と一緒だったと聞かされていたので、不思議なつながりを感じる。親しみやすい作品で、朗読もすっと入ってきた」と話していた。

 例年この日に合わせて高塔山で催される「葦平忌」の集会はコロナ禍で中止。野口さんは「葦平の文章には独特な語り口があり、朗読に向いている。もっと広く知ってもらいたい」と話していた。 (古瀬哲裕)

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