広島・呉の路面電車 第1号は大川製 明治時代の写真などで確認

 福岡県大川市の近代史を研究しているNPO法人「大川未来塾」理事の本間雄治さん(71)が、明治時代に広島県呉市で開業した「呉電気鉄道」の路面電車の第1号電車を、大川市に当時あった「大川運輸」が製造したことを、当時の写真などで確認した。本間さんは「大川の地が、明治の近代化の一翼を担ったことを知ってほしい」と話す。

 大川運輸は明治から大正期にかけて、佐賀県で企業群を形成した旧深川財閥が経営した。当時九州有数の物流拠点だった大川市の若津地区に、工場を所有していた。若津港と大阪の間には定期航路もあった。大川運輸は、大正時代に工務部門が深川造船所に、運輸部門が深川汽船に分かれ、蒸気機関車や客車を製造したり、海外航路を開拓したりして栄えた。

 呉電気鉄道は1909(明治42)年、広島県内初の路面電車として開業した。本間さんは、佐賀市の深川家の関係者らから当時の写真や新聞記事を集めた。

 開業を報じた当時の芸備日々新聞の記事には「車体 筑後若津大川運輸株式会社製」とあるという。木工業で栄えた大川とあって、車体は木製。台車は鉄製で、英国で作られていた。

 第1号電車の写真には「呉電鉄会社御注文電車」と添えられている。工場内で撮影された工員の集合写真の法被には「大川運輸」の文字が見て取れる。同じ写真が呉市側でも保管されていたという。

 本間さんは「当時、国内有数の港だった若津と、軍港として発展した呉をつなぐ歴史は大変興味深い。新たな事実の発見に向け、これからも研究を続けたい」と気持ちを新たにする。 (室中誠司)

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