自宅療養支援に地域差 愛知で配食、熊本は来月から 福岡は未実施

 新型コロナウイルス感染拡大で急増する自宅療養者への生活支援に格差が生じている。東京都や神奈川県などは厚生労働省の通知に沿って食事や日用品を無償で宅配し、九州では熊本県も2月から実施する方針。その一方、福岡県では県、福岡市、北九州市ともに未実施。県が自宅療養を「例外」とし、無症状や軽症の患者を宿泊施設で療養する原則に従って支援していることが背景にあるが、依然として自宅療養する人が相次いでおり、今後の対応が注目される。

 厚労省は昨年8月、都道府県などに対し、自宅療養者の支援について「外出せず生活を継続できるよう配食サービスの導入が重要」と事務連絡。国のコロナ対策の臨時交付金を活用できることも周知している。

 福岡県と同じ緊急事態宣言対象となっている愛知県や名古屋市は毎日、3食分の弁当や飲料などを希望者の玄関先に届ける「置き配」を行う。昨年9月、自宅療養者が数百人の段階で宅配を始めたところ、12月末時点で自宅療養者の4割の約500人が利用。愛知県は「育児などで施設療養が難しい人を想定したが、幅広い人が活用している」としている。

 自宅療養者らが100人を超す熊本県と熊本市は2月から希望者にレトルト食品などの宅配を開始。トイレットペーパーなど日用品も必要に応じて配送する。必要な病床を確保するため、重症化リスクが低い40歳未満の自宅療養を医師の判断で認める方針に転換したため、支援に乗り出す。

 これに対し、福岡県は、軽症や無症状の患者について、医師らが常駐し、食事も提供する借り上げホテルでの宿泊療養以外は原則認めない方針を維持。自宅療養する陽性者の多くについて、あくまで宿泊施設入所の「待機」と位置付ける。

 だが、感染拡大で自宅療養者・待機者は24日時点で2174人に上る。自宅療養が1週間以上になり、食事や日用品の確保に苦労する1人暮らし世帯などは少なくないとみられる。

 福岡県は「特段の要望はなく、民間のサービスもある」と支援に慎重な姿勢。「自宅療養の支援を手厚くすると保健所の負担も重くなり、重症化に対応しづらい自宅を選ぶ人も増えかねない」(幹部)との事情もある。福岡、北九州両市も県の判断に沿って生活支援を行っていない。

 このほか、九州では宮崎県(自宅療養者・待機者100人)は支援を行わず、長崎県(同75人)は事情に応じて宅配。佐賀、大分、鹿児島の3県は現時点で自宅療養者がいないという。

 高知県立大の神原咲子教授(災害看護)は「容体急変への対応など難しい問題もあるが、行政は自宅療養の可能性を探る時期にきている。免疫力を高める上で食事や心理面のサポートは重要で、国も自宅療養のガイドラインを充実すべきだ」と話す。 (大坪拓也)

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