光の祭典「来年こそ」の願い込め 台湾ランタンフェスティバル紹介

 長崎市の「長崎ランタンフェスティバル」が中止になる中、台湾では今年もランタンフェスティバル(新竹市、2月26日~3月7日)が始まる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響による渡航制限で日本からは参加できないが、現地からオンラインで生配信するツアーもある。「来年こそは現地で」の願いを込め昨冬に訪ねた光の祭典を紹介する。 (小林稔子)

 旧正月後の最初の満月を祝う「元宵節(げんしょうせつ)」に開幕する「台湾ランタンフェスティバル」。予算規模は約1億円、10日余りの会期中に1千万人以上が訪れる一大行事で、開催場所は毎年変わる。昨年の開催地は中西部の産業都市、台中市。2月8日のオープニングに臨んだ。

 夜、木が生い茂る広大な野外会場で蔡英文総統と観衆が見守る中、カウントダウンが始まった。歓声が上がり盛り上がりが最高潮に達し、高さ15メートルのランタンが点灯された。暗闇に、花が咲く大木の上で親鳥とヒナたちが触れ合う作品が浮かび上がる。「人々が一致団結し、土地繁栄の願いが込められている」と担当者。

 会場を彩る1600ものランタンは、台湾の意外な一面も見せてくれる。巨大なネズミがサックスを持つ作品。なぜサックス? 聞くと、台中市は生産が盛んという。国内には600種超の野鳥がおり、さえずりを流す作品もあった。子どもたちは文字盤の上を歩くと光る遊びに夢中になり、大人たちは自転車をこぐと光る仕掛けに全力で挑戦していた。

 優美さを満喫する一方、感染症対策の迅速さには驚いた。昨年、台湾では1月21日にコロナの感染者を初確認。2月3日には政府がマスクを買い上げ、実名制で販売することを決めた。マスクの増産もすぐに始まり、在庫状況が3分ごとに自動更新されるマップの開発も。2月6日の入国時、マスク着用のほか、訪問先の施設では検温と手指の消毒も徹底。累計感染者数は今年1月9日時点で828人、死者は昨年5月に7人となって以降、出ていない。

 コロナ禍の今、海外旅行はそのまた夢。会えない時間が愛を育てるではないが、行けない時間にこそ新聞やネットで情報を得ながらアフターコロナに海外を訪れる夢を膨らませたい。

 【メモ】台湾ランタンフェスティバル 1990年から市や県が持ち回りで開いており、今年はIT関連企業が集中し「台湾のシリコンバレー」とも称される北西部の新竹市で開かれる。 IT都市での開催にちなみ、科学技術や芸術を駆使した祭典を予定している。

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