「協力金が不公平」罰則導入 議論進む中、時短拒否1%の言い分

 新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言の対象に、首都圏のほかに7府県が追加され、27日で2週間となった。宣言下の福岡で、感染拡大の急所とされた飲食店の99%は営業時間の短縮要請に応じている。残りの店はなぜ応じず、営業を続けるのか-。1%の理屈を聞いた。

 27日午後9時すぎ、福岡市・天神地区の焼き肉店。若いカップルや、同僚とみられる背広姿の2、3人のグループが歓談していた。県内で16店舗を運営する飲食チェーン「イーストウッド」(福岡市)の棟久裕文社長は、通常営業の継続は「批判覚悟の上での経営判断だ」と語る。雇用の維持が狙いだという。

 昨春、最初の宣言では休業要請に応じた。だが再開後も客足は戻らず、創業以来初の赤字を経験。その後も借金が膨らむ中での時短要請-。天神地区の焼き肉店の営業は午前11時~翌午前0時。客が入るピークは午後7時から閉店まで。9割超の売り上げが蒸発する、と考えた。

 要請に応じれば県は1店舗につき1日最大6万円の協力金を支給する。だが従業員400人の給与と家賃などで1カ月当たり3千万円超が必要だ。

 店主所有の店舗で従業員が数人の場合、店を閉めた方がもうかる、との話も業界内ではまかり通る。小規模店も含めて一律に支給する手法は確かに簡便かもしれないが「あまりに雑で不公平だ」と思う。

 通常営業中の7店舗では、客席の4割削減や店内での大声禁止などの対策を取る。客足は時短要請前より少し多く、深夜は少ない。

 国会では、要請を拒む店に過料を科す特別措置法改正の議論が進む。過料の減額が焦点となっているが、関心はそこではない。雇用調整助成金と売上高の2~3割程度の協力金があれば、固定費を賄え、従業員の給与も維持したまま休業できる、と試算する棟久社長。今のままだと「過料を払ってでも続けざるを得ない」。

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 夜の歓楽街では、少なくない数の店が営業を続ける。その多くはキャバクラ店。無料案内所によると、紹介する店の半分以上が夜8時以降も開けているという。

 店の幹部という男性(38)が事情を明かす。休業要請に応じた昨春、近くのライバル店は“隠れ営業”で利益を上げた。「真面目な者がばかを見る」。そう感じた。

 今回の宣言下での営業は人材の「流出防止」だと打ち明ける。店の女性の多くは個人事業主のため出勤しなければ収入はゼロ。生活のため、開いている店に移ることは責められない、と考える。現状を「休めば負けの『チキンレース』」と表現する幹部は言う。女性も自分たちも「営業継続が生き残る道だ」。

 (井崎圭、梅沢平)

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