「観光カリスマ」から自治体トップに 竹田市の首藤市長が3期で勇退

 大分県竹田市の首藤勝次市長(67)が28日、4月の市長選に立候補せず、勇退を正式表明した。移住定住を進める「農村回帰宣言」を掲げるなど地域活性化に向けてユニークな取り組みを展開し、全国的に注目を集めてきた首藤氏。3期12年の歩みを振り返り「個性の光る自治体に近づけられたかな」と自負をのぞかせた。

 「3期で集大成を図る進め方をしてきた。竹田を担える人材が育っていると信じている」。首藤氏は市役所での記者会見で、不出馬の理由をこう述べた。

 長湯温泉(同市)の大丸旅館の社長を務め、2004年に国土交通省の「観光カリスマ」に選ばれた首藤氏は、市政もアイデアと行動力でけん引した。

 都市部の人々が抱く田舎暮らしへの欲求をくみ取るように、2009年に「農村回帰宣言」を打ち出し、市外からの移住を促進。これまでに芸術家など342人が移り住んだ。温泉を健康づくりに生かすため、施設などを利用すると給付が受けられる全国初の「温泉療養保健システム」も導入した。

 ハード面では総合文化ホール「グランツたけた」や歴史文化館「由学館」を整備。市中心部の活性化に向け「城下町交流プラザ」を造り、観光振興のために温泉療養施設「クアパーク長湯」や、和太鼓集団「DRUM TAO」が公演する「天空の展望公園」も完工させた。厳しい財政の中、多くは国の補助金を有効活用して成し遂げた。

 一部市民からは「パフォーマンスが過ぎる」などと批判され、トップダウンでの手法には庁内でハレーションもあった。それでも会見では「全国に人脈を持ち、外からの評価を聞いて進めることが大事だと思ってきた。逆風の中でしか凧(たこ)は高く上がらない」と、貫いてきた信念を語った。

 退任後については「貴重な体験を文字に残したい。孫に釣りを教えるなどして当面はのんびり暮らします」と笑顔を見せた。

 (稲田二郎)

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