学校建設契約案で嘉麻市議会が紛糾 8年ぶりに本会議延長、継続審査に

 福岡県嘉麻市議会は28日、臨時会を開き、稲築地区と碓井地区に新たに義務教育学校3校を整備する工事契約議案3件を審議した。昨年12月定例会で市が提案し否決された議案と同じ内容の議案に対し、議員から質疑が相次いで議論は紛糾。8年ぶりに本会議の会議時間は延長となり、同日夜に3件を継続審査とすることを決めた。

 義務教育学校について、市は稲築中とそれに隣接する稲築西小の敷地、稲築東中敷地、碓井小敷地にそれぞれ新たな校舎を造り、23年4月の開校を目指している。今回の議案はそれぞれ50億6千万、35億8050万、30億7450万円で、福岡市や嘉麻市の建設会社などでつくる企業共同体(JV)と工事契約を結ぶ内容。事業手法は、設計から施工までを一括で発注する「デザインビルド(DB)方式」を採用した。

 議案を付託された学校施設整備に関する調査特別委員会では、議員が「DB方式ではJVに入っていない市内業者が工事に参入しづらい。分離発注にすべきだ」と質問。市側は「契約金の3割分は市内業者を活用することを条件とした」と答えた。

 否決された議案を修正せずに再提案したことについては「国の補助金を財源とするが、補助の条件が本年度中の着工。否決後に議案内容を再検討したが、DB方式でなければ間に合わない」と理由を答えた。「古い学校では雨漏りが出ている。早急に新設校を整備すべきだ」と市に理解を示す議員の声もあった。

 市の主張に沿い、反対派を非難する怪文書が出回っていると問題提起する議員や、市が業者側に便宜を図った官製談合の疑いがあると主張する議員も出た。

 特別委での質疑が夕方まで続いた後、3件について継続審査を求める意見が出たため、賛否を起立や投票で問うことに。結果はいずれも継続審査となった。2件は賛否が同数のため、委員長裁決で継続審査を決めた。

 議会は今回、新型コロナウイルスの緊急事態宣言を受けて議場内での傍聴を中止にしていたが、市内のPTA関係者などが市役所ロビーのモニター前に集まるなど、議案への関心の高さをうかがわせた。一時、モニター前に市民が密集したため、特別委員会の開催前に、急きょ議会運営員会を開いて対応を話し合う場面もあった。

 (長美咲、坂本公司)

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