発達障害に差別的発言 佐賀市長と神埼市長、知事との意見交換で

 26日に佐賀市であった佐賀県知事と県内20市町長が意見交換する会議で、佐賀市の秀島敏行市長(78)と神埼市の松本茂幸市長(70)が発達障害者への差別と受け取られかねない発言をした。秀島氏は「少子高齢化で、お年寄りを支える側に回り切れない子どもたちが増えていく実態をどうするのか心配だ」と述べた。松本氏は「原因究明されると、そう(発達障害に)ならない子どもは健常者として一生幸せに暮らせるんじゃないか」と語った。公の会議での発言で波紋を広げそうだ。

 会議は報道陣に公開された。県市長会からの提案として、会長の秀島氏が発達障害児の現状と課題を報告した。佐賀市では発達障害とその疑いのある小学生の割合が2010年度の3・12%から20年度は11・41%に増加。20年度の市の関連経費(障害児通所給付費を除く)は2億9210万円で、うち市費が87%に上る。秀島氏は財源不足の懸念と発症に関する原因究明を課題として挙げた。

 松本氏は出産直後に母親が子どもを抱く「カンガルーケア」と完全母乳の導入後から発達障害が増えたとする元産婦人科開業医の講演資料を紹介。「後天的に原因があって発達障害を招いているなら、防いでやるのが大人の責任」と話した。

 これに対し、嬉野市の村上大祐市長(38)は「幼少期でしっかり観察しているから増えている。発達障害が増えることを悪として捉えるような議論の前提はやめるべきだ」と反論した。

 28日の西日本新聞の取材で、秀島氏は「発達障害者は就労に結びつきにくく、対人関係のつらさを感じることがあることを訴えたかった。差別や蔑視の意図は全くない」と説明。松本氏は「経費増に関する議論の参考になればと考えた。資料の内容を自治体として絶対に進めていくという考えはない」と釈明した。発言は共に撤回しないという。

 自閉症スペクトラムの娘を育てる佐賀市の女性(39)は「子どもは高齢者を支えるためだけに生まれたのではない。財政が厳しいなら市の支援は受けない方がいいのだろうか」と寂しそうに語った。

 発達障害に詳しい久留米大医学部の山下裕史朗教授(小児神経学)は「発達障害のサインに早く気付いて療育すれば支える側になれる。予防の議論ではなく、子育て支援こそが自治体の仕事だ」と指摘した。

 (北島剛、米村勇飛、星野楽)

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