豚骨味を植物由来原料で再現 スープ豆乳に昆布だし 「一風堂」

 豚骨ラーメン店「一風堂」を展開する力の源ホールディングス(HD、福岡市)は、動物性食材を一切使わず、植物由来の原料で豚骨ラーメンの味を再現した「プラントベース赤丸」を2月1日から全国45店で数量限定販売する。開発に3年をかけた一杯には、環境負荷の軽減につなげたいとの思いも溶け込んでいる。

 開発プロジェクトは2018年初めに始動。店舗を訪れる訪日客から「豚骨を使っていないラーメンはないか」と尋ねられることが増えたのがきっかけだ。訪日客には完全菜食主義者も多く、担当した冨田英信さん(43)は「ラーメン店として一つの答えを出す必要を感じた」と語る。

 ラーメンの味わいを決めるスープは、植物性油脂と大豆タンパクの研究を長年続ける不二製油(大阪府泉佐野市)と共同で手掛けた。試作を15回ほど繰り返す中で、コクが深い豆乳に昆布だしやポルチーニ茸を隠し味に加えることで大豆独特のにおいが抑えられ、豚骨スープに限りなく近づけられることを発見した。

 卵は使えないため、全粒粉に食物繊維を配合するなどの工夫を重ね、通常の麺と遜色のない細麺に仕上がった。インゲン豆のペーストや小麦を使った焼き豚風トッピングは肉のような繊維質を再現。オリーブ油で炒めたシメジ、マイタケ、キクラゲも載せた。

 豚や卵など多くの食材を使用する豚骨ラーメン店は動物性食材に支えられてきた。だが、畜産由来の温室効果ガスが地球環境に大きな負荷を与えているとの指摘もあり、冨田さんは「動物性食材に依存しすぎない道も模索しなければ」と考えるようになったという。

 一風堂の人気メニュー「赤丸新味」を再現した完全植物性由来の「プラントベース赤丸」は1杯1100円。福岡市では西通り店、大名本店、山王店、塩原本舗の4店で提供する。力の源HDは「食の多様性に対応した未来志向のラーメン」(広報)としており、評判次第では定番商品化も検討する。 (布谷真基)

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