居場所ない若者に家を 空き部屋改装 元非行少年ら協力、就労支援も

 アパートの空き部屋を改装し、居場所がない若者を受け入れる「家づくり」が福岡市で進んでいる。長年少年事件に携わる弁護士が、所有する二つの物件を提供して取り組む。就労支援も行うことで生活を下支えし、自立を後押しする。夏ごろの完成を目指している。

 昨年11月、福岡市西区にある築40年超の2階建てアパート。「ボロボロ。これはやりがいがありそうやね」「クロスは何色に変えようか」。知名健太郎定信弁護士(46)は、家づくりを手伝う元非行少年の自助グループ「セカンドチャンス!福岡」のメンバー4人と話し合った。

 少年院を退院したばかりの10~20代や、虐待を受けるなどして避難したい人が身を寄せるための施設は十分とは言えない。

 親元で暮らせない子を養育する児童養護施設は原則18歳まで入所できるが、多くは高校などへの進学を条件にする。引きこもりの若者らを支援する自立援助ホームが受け入れるのは原則15~20歳で、大半の定員は6人前後。あるホームの関係者は「満員が続き、すぐに受け入れられる状態ではない」と話す。

 未成年の場合は、アパートなどの賃貸契約を結ぶには親権者の同意が必要で、関係が悪化していれば難しい。住み込みの就労先も少ないのが実情だ。「住むところがなく非行や犯罪に向かうケースもある」(知名弁護士)という。

 手掛けるのは、隣接するアパート2棟の計4部屋。資材の一部はセカンドチャンスが無償提供し、建築の仕事に携わるメンバーらが「若者が住みたくなる部屋」にリフォームする。

 入居期間や対象年齢、賃料は決まっていないが、未成年は無料にする方針。金銭管理の指導、就労支援も行い「生活力」の向上を手伝う一方で、洗濯や掃除などの家事は自己完結してもらう。短期間の「避難場所」としての活用も考える。

 知名弁護士は「住居が定まれば、安心でき、生活が整うことにつながる。集合住宅の空き部屋を持つほかの所有者の協力を得ながら、若者の住環境整備を進めたい」と話す。 (鶴善行)

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