中盤失速…一山、悔しい初V 大阪国際女子マラソン、日本新ならず

 日本記録を更新するペースで淡々と走っていた一山の顔が、中間点を過ぎたころから「少し呼吸がきつくなり始めた」と徐々にゆがんだ。20キロまで設定通りの16分30秒前後だった5キロごとのラップが20~25キロで16分40秒。25~30、30~35キロは17分台に落ち込んだ。

 「3回くらいヤマがあった。きつい所を少し乗り越えて、落ち着いた時に慌てないでいこうと思った」。ペースメーカーからの「行けるよ」「頑張れ」といった言葉も励みに、失速を最小限にとどめた。

 ただ大会記録2時間21分11秒での優勝にも笑みはない。目標は日本記録の2時間19分12秒。「ただただ、自分の力がなかった」。レース後は涙を浮かべる場面もあった。

 昨年3月の名古屋ウィメンズでは日本歴代4位の2時間20分29秒で優勝。その後もトラックで自己記録を更新した。周回コースとなった今大会は平たんで風の影響も受けにくいとされ、男子のペースメーカーもついた。

 高速レースで記録更新への期待も高まったが「実際に走ってみるとやっぱりきついなと思った」と壁の高さを痛感。昨年末に体調を崩し、予定通りの練習を消化できなかったことも響いた。

 目標は達成できなかったとはいえ、マラソン2戦連続で好タイム。今回レース中継で解説をした日本記録保持者の野口みずきさんは、自身の記録を「すぐにでも破られそうな気配」と語った。日本の女子マラソン界に、少しずつかつての勢いが戻りつつある。

 東京五輪まで残り半年を切った。「五輪があると信じて、そこで最高の走りができるように準備したい」。伸び盛りの23歳は悔しい経験を糧に、次の舞台に挑む。 (伊藤瀬里加)

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