地方メディア衰退の後 田中伸幸
米国人に「日本の地方紙の記者で、米国に駐在している」と自己紹介すると「えっ」とびっくりされることがある。先日もスポーツ施設で出会った初老の男性が「米国の地方紙の記者には、あり得ない話だ」と驚いていた。
背景には会員制交流サイト(SNS)の利用拡大などに伴い地方メディア、特に地方紙の存在感が大きく低下した現状がある。メディア研究で知られるノースカロライナ大の報告書によると、全米の新聞の4分の1に当たる約2100紙が、過去15年間に廃刊などでなくなったという。
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