なぜ?休校頻発…異例の市教委基準に不満相次ぐ

 「新型コロナウイルスに関して小中学校がすぐ休校になる。基準がおかしいのではないか」。そんな疑問が福岡県大野城市の保護者から、西日本新聞「あなたの特命取材班」に相次いでいる。背景に何があるのか取材した。

 「共働きで急には休みづらい。でも1人で留守番はさせられない」。小学2年の子どもがいる女性は、こう嘆いた。

 1月は登校日だった15日のうち、7日半と半分も休校になった。女性は仕事を休んだり、親に預けたりしたが、休校の頻発に納得がいかない。「当面の間、臨時休校にします」というメールが学校から届くたび、ため息が出る。

 別の複数の保護者からも「残り少ない3学期をこれ以上、休みにしないで」「他の自治体はすぐ休校にはしないと聞いたのに」といった不満が寄せられている。

 大野城市教育委員会は、休校基準をこう説明する。

 教職員や児童生徒の感染か濃厚接触が判明した段階で休校を決定。濃厚接触の範囲を特定できれば、濃厚接触者がいる学級のみの閉鎖に切り替える。担当者は「感染は命に関わる問題であり、拡大を抑えるための措置」と強調した。

 ただ、濃厚接触者の特定は保健所が担うため、時間がかかることが多い。県内の感染者が急増した1月は、休校が4日間続いたケースもあった。

 大野城市のような対応は異例という。福岡市は教職員や児童生徒が感染、もしくは濃厚接触者となった場合でも原則として休校は行わない。隣接する筑紫野、春日両市も基本的に休校にはせず、当事者のみ出席停止としている。

 文部科学省は1月、感染者が1人確認された場合の休校は控え、学級・学年閉鎖など「必要最低限の範囲」にとどめるよう全国の教育委員会に通知した。継続的な学習の保障を優先する立場だ。

 大野城市では、双方向型のオンライン学習支援は導入されておらず、休校期間中はドリルや教科書を使った課題が与えられるだけで「学習面での遅れが心配」との訴えも目立つ。全校児童生徒に「不要不急の外出」を控えるよう指示されることに不満を感じる保護者も多い。

 中学1年の子どもがいる50代女性は頭を抱える。「習い事や塾にも行けない。共働きで日中は自宅に1人でいるため、ゲームばかりしているようだ」

(四宮淳平、西村百合恵)

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