宣言解除「病床使用25%以下」を目安に 熊本県

 福岡を除く九州各県が独自の緊急事態宣言や時短要請を解除する中、熊本県は5日、21日まで2週間の宣言延長に踏み切った。背景には、熊本市内の医療提供態勢への危機感がある。「県民の生命を守るため」。蒲島郁夫知事は宣言解除の要件として「病床使用率25%以下となる確かな見通し」を掲げ、新たな支援金支給などで県民の協力を求める。

 対策の成果は数字に表れている。昨年12月30日から熊本市中心部の飲食店に時短営業を要請し、1月14日には宣言を発出。時短営業要請を県全域に拡大するなどした結果、1月中旬に週500人を超えた新規感染は、今月3日までの直近1週間で56人に減少した。ピーク時に政府分科会の指標で「ステージ4」(爆発的感染拡大)に悪化した感染状況も「ステージ3」(感染急増)の水準になった。

 一方、県内の病床使用率は3日時点で39・8%と依然高く、特に熊本市では6割を超えた。危機感を強める大西一史市長は4日夕、蒲島氏に文書で「県全域を対象に、少なくとも2月末日まで」の宣言延長を進言。県市合同の専門家会議座長の原田信志熊本大学長も「感染爆発の危機は脱した」とした上で「病床使用率の確実な減少の見通しが確認できるまで宣言を延長すべき」との考えを示した。

 こうした意見も踏まえ、蒲島氏は延長を決断。「一番効果的、集中的、必要最小限」の対策として、同市中心部の時短営業の要請継続で感染拡大の「急所」を押さえる一方、病床の確保を進め、軽症・無症状者を宿泊療養や自宅療養に振り分けることで、医療態勢に余裕を生み出す考えだ。大西氏は会見で「知事の判断を尊重する」と述べた。

 県は、このまま感染減少傾向が続けば「25%以下」の達成は2週間で可能とシミュレーションする。だが、クラスター(感染者集団)が発生すれば計算は狂い、「出口」は遠のく。楽観視できない中、蒲島氏は「対策が緩み、社会経済活動が活発になれば、また感染が拡大する恐れがある。再び拡大すれば再び強い対策が必要となる」と訴えた。

 また、県は(1)感染防止対策費として1店舗当たり10万円、タクシー1台当たり3万円(2)飲食店の時短営業で売り上げが激減した取引業者向けに法人上限40万円、個人同20万円-などの支援金創設を発表。苦境に立つ中小事業者を支える考えだ。 (古川努、長田健吾)

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