「わきまえない」を貫く 酒匂純子

 皮肉なことだが、森喜朗さんには感謝しなければならないのかもしれない。彼の周囲は「わきまえておられる」方々ばかりらしいが、ネット上は「わきまえない女」をテーマにした書き込みが盛り上がっている。性被害などを告発する「#MeToo」運動が広がったのは2~3年前。今回の森さんの失言は、自分を抑え込む大きなものに対し、忖度(そんたく)したりわきまえたりしていてはやっぱり駄目だよね、という当時の熱い気持ちを思い出させてくれた。

 森さんは、女性は的を射ない発言をする人が多い、と考えているようだ。多様な人が語る場で、あまり的を射たと思えない少数意見にこそ、実は大切なことが隠れていないか。そんなことを考えながら、いや、性差別も問題だが、そもそも「女性は-」と属性で決めつけることに決定的な問題があるのでは、と感じた。

 国も自治体も、審議会の女性登用率を高めようと目標設定している。私も数々の審議会の委員を要請されてきた。会議では驚くことが割とあった。会議の目的は、意味は、など問うた。仕切る側からすれば「的を射ていない」と思われたかもしれない。それでも少数者として発言する責任がある。森さんの言う「競争」ではなく共につくる「共創」のイメージで臨んできた。

 政府は2020年までに指導的立場の女性を30%程度にする「202030」を掲げてきたが、その目標は昨年末の閣議決定で「20年代の可能な限り早期に」と後退した。

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