コロナで留学断念…離島で塩作り修行 挑戦4カ月、ネット販売も

 北九州市立大3年の田中幹哉さん(22)が、伊豆諸島最南端にある青ケ島(東京都)で島特産の「ひんぎゃの塩」作りに挑んでいる。新型コロナ禍で中国留学を断念し、4カ月前に一転、島民約160人の島に飛び込んだ。製塩所で修行を積みながら、運営に関わる旦過市場(小倉北区)の交流拠点「大學(だいがく)堂」のオンラインショップで、塩のネット販売も開始した。

 青ケ島は火山島で島全体が二重のカルデラになっている。「ひんぎゃ」とは山の斜面などにある噴気孔を指す島の言葉だ。塩は噴気孔から出る地熱蒸気だけを利用し、13日間かけて結晶化する。

 鳥取県出身の田中さんは2020年度に休学して中国に留学する準備を進めていたが、コロナ禍で断念。大學堂の運営に携わる同大の竹川大介教授に勧められて青ケ島行きを決意した。昨年10月、島の製塩所「青ケ島製塩事業所」の社長宅に住み込みで働き始めた。

 製塩に携わるのは社長を含めて5人ほどで、袋詰めまで全て手作業。釜場は50度にもなる過酷な仕事だ。塩が乾くと、不純物を肉眼でチェックする。「砂粒よりも小さい木くずを長時間探し続けるのはとても根気がいるが、楽しい」と田中さん。海水から塩ができるまで1カ月ほどかかる。

 手間暇かけて出来上がった塩は、大粒でまろやかな口当たりが特徴。ひんぎゃの塩を15年以上使うすし店「小山」(小倉北区)の店主は「塩は料理の基本であり、本質だ。ひんぎゃの塩は、海水中の金属をバランスよく含み、今まで使った塩の中でも一番」と太鼓判を押す。

 ひんぎゃの塩を広めようと、1月からは「大學堂」公式ホームページで通信販売(50グラムで税込み270円など)をスタート。塩が結晶化する直前の海水「ひんぎゃの味わい水塩」(税込み496円)も購入できる。田中さんは「素材の味を生かしつつ、料理の味を引き締めてくれる万能な塩なので、ぜひ試してほしい」と話す。

 オンラインショップ「おうちで大學堂」(https://www.daigakudo.net/ec/)で購入できる。 (白波宏野)

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