「ゼロ当たり前」へ、山本美也子さんメッセージ

 福岡県粕屋町で高校生2人が飲酒運転の車にはねられて命を落とした事故から、9日で10年を迎えた。長男の寛大(かんた)さん=当時(16)=を亡くした山本美也子さん(52)=福岡市東区=が、西日本新聞にメッセージを寄せた。

 今年の命日も多くの人がお参りに来てくれました。今でもたまにとんでもなく悲しくなる時がありますが、笑う時間も増えました。

 昨年からの新型コロナがきっかけで家の中を整理し、思い出も、とっておくものと手放すものに分けました。これからも、長男と一緒にいろんな景色を見ていこうと思っています。

 事故当初は、私も含め社会全体に、飲酒運転なんて減るはずがないという思いがあったかもしれない。でも、それが一番良くない。ゼロなのが当たり前です、ということを伝えたかった。それは今、伝わっていると思います。

 まだまだ飲酒運転する人の記事も見ますが、「飲酒運転はいかんよね」という声をたくさんいただくようになりました。社会が変わった証しであり、すてきなことです。

 この10年はあっという間で、登り坂をたくさんの皆さんに背中を押してもらって、なんとか一歩ずつ登ってきたという感じです。長男に会ったことのない皆さんが、まるですごく親しかったかのように、「寛大君のお母さんですか」と話し掛けてくれます。今でもそうしてもらえる、あの子たちがすごいんだろうと思います。

 飲酒運転をしている人は、今すぐにやめてください。飲酒運転を見つけた人は、ぜひ警察に通報してほしい。通報することは、優しい見守り活動です。

 ここからの10年は、悲しみを背負った皆さんのお役に立てればいいなと思っています。被害者支援という形だったり、子育て支援という形だったり。(NPO法人で運営している)図書館やカフェに、気軽に来ていただく方が増えたらうれしいです。

 山本美也子さんが運営するNPO法人「はぁとスペース」=092(692)6316

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