「命に関わることも」自宅で毛染め、アレルギー注意

 コロナ禍で美容室へ行く機会が減り、自分で白髪を染めたり黒髪を明るく染めたりする人も多いのでは? でも我流でヘアカラー剤を使っていると突然、かぶれなど皮膚のトラブルが生じることがある。自宅で毛染めをするとき、何に気をつけるべきか。専門家に聞いた。

 「髪を染めた後にかゆくなった」「頭皮が赤くなってぶつぶつが出た」

 化学薬品を使わないなど髪や環境に優しい施術にこだわる美容室「ViVian」(福岡市博多区)には、安全な毛染めを求めてたどり着いたという客が後を絶たない。美容師の今石晴美さんは「『ちょっとピリピリするだけ』と甘く見て使い続けると、重いアレルギー反応を起こして命にかかわることもある」と警鐘を鳴らす。

 毛染めによる皮膚障害の事例は、消費者庁の事故情報データバンクにも毎年度約200件が報告されている。かぶれ(接触皮膚炎)には刺激性とアレルギー性がある。刺激性は化学物質の刺激が原因。体調や肌の状態次第で誰にでも起きうるが、回復は比較的早い。

 アレルギー性は過剰な免疫反応によって生じ、一度症状が起きるとその原因物質に触れるたびに発症する。ひどくなると顔全体がはれたり、炎症を起こした頭皮から体液がにじみ出たりし、まれに呼吸困難など重篤化することもある。

 「白髪染め」「ヘアカラー」などの名称で広く販売されている永久染毛剤は髪の内部に色が定着しやすく、色持ちがよい。「ジアミン」という酸化染料が使われているためだ。だが、この染料がアレルギーを引き起こす主な原因となる。

 今石さんによると「それまで異常がなかった人が突然発症する。毛染めを繰り返すほど危険性は高まる」。自分で染めると薬剤を塗ってから流すまでの時間が長過ぎたり、上手に染まらず頻繁に染め直したりして、危険度はさらに増す。

 今石さんに注意すべきポイントを教えてもらった。

 (1)毛染めを行う48時間前に毎回、染毛剤を腕の内側に塗るパッチテストを行う。塗った部分が赤くなったり、かゆみが出たりしたら、毛染めをやめる。

 (2)風邪気味や肌が敏感になりやすい月経中の施術は避ける。染める前の24時間は皮脂で頭皮を保護するためシャンプーを使わない。

 (3)説明書をよく読み、塗布の方法や放置時間を厳守する。塗るときは最も白髪が気になる部分から始め、根元から広げる。

 (4)染料の流し残しはトラブルの原因。カラー剤を塗って放置した髪に少量のお湯をかけ、クリーム状になるまでもみ込んだ後に一度洗い流し、さらにシャンプーでしっかり洗って流す。

 かぶれや髪の痛みが心配なら、髪の表面に膜を張る「ヘアマニキュア」▽植物性の染料「ヘナ」▽洗髪時に使う「カラートリートメント」-などがお勧め。ただ、これらにも微量のジアミンを含んでいる商品があるため、注意が必要だ。

 今石さんは「一度でもかゆみやかぶれを経験した人は絶対に永久染毛剤を使ったらだめ。今はどの美容室も感染症対策に力を入れている。定期的にお手入れに来てほしい」と話している。

 (新西ましほ)

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